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2015 Fiscal Year Research-status Report

ミトコンドリアDNAをターゲットとした新しい心不全治療の開発

Research Project

Project/Area Number 15K19387
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

藤野 剛雄  九州大学, 大学病院, その他 (10721904)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2017-03-31
KeywordsミトコンドリアDNA / 心不全 / リモデリング
Outline of Annual Research Achievements

心疾患においては急性期の治療成績の向上とともに、慢性心不全が増加し、その予後は不良である。その予後を改善させる有効な治療法の開発が急務である。申請者らは心筋細胞のミトコンドリアDNA(mtDNA)コピー数減少は心不全の病態進展と関与し、mtDNAを増加させた遺伝子改変マウス(TFAM過剰発現マウスおよびTwinkle過剰発現マウス)では心不全の予後が改善することを示してきた。本研究では、mtDNAのコピー数が、心不全の病態にどのような機序で関与しているのかを明らかにし、新たな治療ターゲットとしてのmtDNAの役割を明らかにすることである。
本年度は、mtNDAコピー数増加による心筋の病的リモデリング抑制の機序を解明するための実験を行った。具体的には、新生仔ラット単離心筋細胞を培養し、アデノウイルスベクターを用いたヒトTFAMの導入を行った。コントロールとしてLacZを導入するアデノウイルスベクターを用いた。TFAMの発現を確認し、新生仔ラット単離心筋細胞においてTFAMの導入によりmtDNAコピー数を増加させることが出来る条件を設定することができた。
また、mtDNA増加によるミトコンドリア機能の改善が得られるかについて明らかにするために、心筋梗塞モデルマウスを作成し、その梗塞境界部におけるミトコンドリアDNAの定量を行い、mtDNA増加によるミトコンドリア機能の改善について評価した。
さらに、mtDNAコピー数の臨床での心不全重症度との関連をより明確にするために、九州大学病院に心不全の加療目的で入院中の患者について、院内倫理委員会での承認のもと、患者同意を得たのちに心筋生検より検体を収集した。臨床データも併せて解析し、データベースを構築した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

基礎研究も、臨床研究も、当初の予定どおりに進捗している。mtDNAのコピー数制御については、心筋梗塞モデルマウスでも評価しているため、一部は当初の予定以上の進捗である。

Strategy for Future Research Activity

平成27年度をふまえて、平成28年度は、mtDNAコピー数増加による心筋リモデリング抑制の機序の解明を行う。心筋細胞を用いて、リモデリングシグナルとしてのNFATの活性化について、luciferase assayおよびNFAT-GFP蛋白を導入してその制御にmtDNAが関与していることを明らかにする。具体的には、新生仔ラット単離心筋細胞を培養し、アデノウイルスによってTFAMを過剰発現の有無によりmtDNAコピー数を変化させ、アンジオテンシンIIの投与によるNFATの活性化について抑制的かどうかについて評価する。アンジオテンシンIIについて刺激が不十分であればエンドセリンI, TNFaなどの既知のサイトカインを使用する。また、同様に、細胞にTwinkleを過剰発現させ、同様の変化が生じるかについて、検討し、これらのシグナル伝達がmtDNAコピー数によって制御されていることを明らかにする。
今年度は、前年で得られた臨床サンプルからmtDNAのコピー数を定量し、重症度との関連、心機能、について、併せて評価を行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Donor age is a predictor of early low output after heart transplantation.2015

    • Author(s)
      Fujino T, Kinugawa K, Nitta D, Imamura T, Maki H, Amiya E, Hatano M, Kimura M, Kinoshita O, Nawata K, Komuro I, Ono M.
    • Journal Title

      Journal of Cardiology

      Volume: 67 Pages: 477-482

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2017-01-06  

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