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2015 Fiscal Year Research-status Report

心房細動の発生と心房リモデリングへのヒストン脱アセチル化酵素6の関与

Research Project

Project/Area Number 15K19394
Research InstitutionIwate Medical University

Principal Investigator

松下 尚子  岩手医科大学, 医学部, 助教 (30740625)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
KeywordsHDAC6 / 心房細動 / 炎症性サイトカイン
Outline of Annual Research Achievements

Non-transgenic (NTG) マウスと心筋細胞特異的dominant-negative HDAC6過剰発現トランスジェニック(HDAC6-DNTG)マウスを用いて,慢性的心臓圧負荷で誘発される心房細動に対するHDAC6の関与を検討した結果、大動脈縮窄術を施行したNTGマウスでは7例中4例に、HDAC6-DNTGマウスでは7例中3例に高頻度左心房ペーシング(HLAP)により心房細動が発生した。一方、大動脈縮窄術非施行のNTGマウスでは19例中2例に、HDAC6-DNTGマウスでは16例中2例にHLAPにより心房細動が発生した。さらに、大動脈縮窄術非施行の心筋細胞特異的HDAC6過剰発現トランスジェニック(HDAC6-TG)マウスを用いた実験では、24例中14例にHLAPにより心房細動が発生した。これらの結果は、心房筋でのHDAC6の過剰発現が心房細動の発生に関与している一方で、慢性的心臓圧負荷で誘発される心房細動には、HDAC6は関与していない可能性を示唆させる。そこで、HDAC6の心房筋過剰発現による心房細動発生に着目し、HDAC6の心房筋過剰発現による慢性炎症の発症についてHDAC6-TGマウスとNTGマウスの心房筋を用いて炎症性サイトカイン遺伝子発現について検討した。結果、HDAC6-TGマウス心房筋では、NTGマウスの心房筋と比較してインターロイキン1、インターロイキン18、およびインターロイキン6の遺伝子発現が増加している可能性が示唆された。今回の結果は、心房筋でのHDAC6の過剰発現が慢性炎症を誘発して、心房細動を誘発する可能性を示唆するものであり、心房細動発症の新しい知見を得たと言う点でその意義は大きい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初予定していた慢性的心臓圧負荷誘発心房細動に対するHDAC6の関与に関しては、実験結果より現時点では否定的であった。このため、当初の計画にもあったHDAC6過剰発現による心房細動発症に着目した研究を推進したため、心房筋リモデリングに対するHDAC6の関与についての研究が遅れている。しかし、HDAC6過剰発現による症性サイトカインの発現上昇を介して心房細動を誘発する可能性が示唆される結果を得ている。よって、本研究は、全体としてはやや遅れている状況である。

Strategy for Future Research Activity

今後は、、心房筋でのHDAC6の過剰発現が慢性炎症を引き起こして心房リモデリングと心房細動を誘発する機序について、当初計画した実験方法により詳細な検討を行う。

Causes of Carryover

当初予定していた慢性的心臓圧負荷誘発心房細動に対するHDAC6の関与に関しては否定的であったため、HDAC6過剰発現による心房細動発症に着目した研究を推進し、心房筋リモデリングに対するHDAC6の関与についての研究をおこなわなかったため、当該助成金が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

本年度の研究から、HDAC6過剰発現による症性サイトカインの発現上昇を介して心房細動を誘発する可能性が示唆される結果を得ているので、来年度は本年度に予定していたHDAC6過剰発現による心房リモデリングについて、HDAC6の阻害薬を購入して詳細な検討をおこなう。加えて、当初の予定であったHDAC6誘発心房細動の機序について検討をおこなう。

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Published: 2017-01-06  

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