2017 Fiscal Year Annual Research Report
Involvement of histone deacetylase 6 in the inducing of atrial fibrillation and atrial remodeling
Project/Area Number |
15K19394
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
松下 尚子 岩手医科大学, 医学部, 助教 (30740625)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | HDAC6 / 心房細動 / Connexin43 / 炎症性サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
Non-transgenic(NTG)マウス、心筋細胞特異的dominant-negative HDAC6過剰発現(HDAC6-DNTG)マウスおよび心筋細胞特異的HDAC6過 剰発現トランスジェニック(HDAC6-TG)マウスを用いた。前年度までの実験から、慢性的心臓圧負荷における心房細動の発生にはHDAC6が関与していない可能性、また非圧負荷においても、HDAC6過剰発現そのものが心房細動発生に関与している可能性が示唆された。さらにHDAC6過剰発現が心房細動発症に関与する慢性炎症に影響するかについて、realtime RT-PCRを用いて炎症性サイトカイン の発現を検討した。結果、HDAC6-DNTGと比較してHDAC6-TGではIL-6、IL-18、MCP-1の遺伝子発現が増加している可能性が示唆された。また、構造的リモデリングについての評価を行うため、NTG、HDAC6-DNTG、HDAC6-TGの心房組織切片を作成し、心筋の興奮波伝導において重要な役割をもつConnexin43の発現分布について免疫組織学染色を行った。結果、connexin43は正常心筋では介在板に多く発現するが、HDAC6-TGマウスの心房筋では細胞外側に多く分布している所見が得られた(laterality)。このことから、HDAC6活性化が心房細動発生における慢性炎症への関与のほか、connexin43分布異常に関与しており、またconnexin43分布異常による興奮波伝速度の低下が心房細動の発生に関与している可能性が示唆された。これらの結果については2018年日本循環器学会基礎研究フォーラムでポスター発表を行った。
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