2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel treatment for ameliorating atherosclerosis by conditioned medium from mesenchymal stem cells
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15K19403
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
高藤 義正 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 流動研究員 (90734864)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 培養上清 / エクソソーム / 炎症 / 血管内皮細胞 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
間葉系幹細胞(MSC)は液性因子の産生により、抗炎症、免疫調整作用を示す。本研究は、塞栓誘発の懸念が無い間葉系幹細胞培養上清(MSC-CM)を用いた、動脈硬化性疾患に対する新規予防法及び治療法の開発を目的として行った。 平成27年度は動脈硬化の形成、進展に対するMSC-CMの作用を検証した。in vitro試験では、MSC-CMが血管内皮細胞(EC)及びマクロファージ(Mφ)に対する抗炎症作用を示すことを明らかにし、in vivo試験ではMSC-CMの尾静脈頻回投与が、動脈硬化モデルマウスにおける動脈硬化の進行を抑制することを明らかにした。 そこで平成28年度は当初の計画通り、MSC-CMに含まれる有効成分の同定および詳細な作用機序の解明に取り組んだ。超遠心によりMSC-CMを蛋白質画分とエクソソーム (Exo) 画分に分離し、ヒト大動脈EC及びマウス骨髄由来Mφを各画分中で培養し、炎症関連遺伝子の発現及び分子経路を解析した。ECにおいては、MSC-CMの蛋白質・Exo画分いずれも、TNFα刺激により上昇した接着関連分子 (ICAM-1、VCAM-1)の発現を有意に抑制し、p65 (NFκB経路)、JNK(MAPK経路)のリン酸化を抑制した。Mφにおいては、蛋白質画分のみがLPS刺激で上昇したM1マーカー(TNF-α、IL-6) の発現を有意に抑制し、JNKのリン酸化を抑制するとともに、M2マーカー(MRC1、SR-A1) の発現を有意に上昇させ、STAT3 (JAK-STAT経路)のリン酸化を促進した。 平成28年度は実験計画の大部分を予定通り遂行し、本研究における目的の達成に繋がる有用な知見を多く得ることができた。本研究で得られた知見は、動脈硬化性疾患に対する新規予防法および治療法の開発に繋がると期待される。
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Research Products
(4 results)