2016 Fiscal Year Research-status Report
高地肺水腫における内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のシークエンス解析による病態解明
Project/Area Number |
15K19417
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小林 信光 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (50447752)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 高地肺水腫 / NOS3遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、前年度に引き続き次世代シークエンサーによる解析を行う準備を行った。前年度に遺伝子抽出を行う事ができなかった高地肺水腫発症者群および非発症者群の検体について、QuickGene-800(富士フィルム)による遺伝子抽出を行った。また、一部の古い血液検体については、フェノール法による遺伝子の抽出を行った。次にこれらの今回追加で抽出した遺伝子検体および昨年度中に抽出を終えている遺伝子検体について、次世代シークエンサーによる遺伝子解析に必要なライブラリを作成するために、PCRを行うための濃度調整を行ない、これらの作業は終了した。次の段階である次世代シークエンサーによる遺伝子解析について、遺伝子解析に必要な試薬などについては、昨年度に引き続き、購入を行なった。次世代シークエンサーによる解析の最初の段階であるライブラリ作成に必要なPCRプローブについては、NOS3遺伝子の情報をNCBIのデータベースより入手した後、その情報を元にPrimer3による設計を行い、業者に発注し、購入済みである。次に、ライブラリ作成のためのPCRをIon Xpress Plus Fragment Library Kit (Life Technology)を用いて施行したが、従来の当科で行ってきたPCR法では多くの検体ではライブラリ作成がうまくできなかったため、現在別の方法でのPCRによるライブラリ作成を検討・実験中である。一部の検体では従来の方法でPCRを行い、ライブラリ作成に成功した。それらの検体については、エマルジョンPCRによりテンプレートを作成し、Ion Torrent Ion TGM システムを用いて、遺伝子配列の決定を行ったしかし、解析を終了できた検体はまだ少数であり、遺伝子の遺伝的差異やエクソン解析などは行っていない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一部の遺伝子検体については次世代シークエンサによる解析を行ったが、統計的な解析を行うにはまだ不十分な検体数である。他の一部の遺伝子ではライブラリ作成の段階において、従来のPCR法ではうまくいかなかったところがあり、他の方法を試行中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
PCRが施行できた検体については今後も次世代シークエンサによる解析を引き続き行っていく。また、PCR法の検体についてはPCRの条件、プライマーなどを調整を行い、PCRが成功した時点で、次世代シークエンサーによる解析を行っていく予定である。
|
Causes of Carryover |
ライブラリ作成に必要なPCRを行う段階で、多くの検体でPCR法の再検討を行っている影響で、研究計画に遅れが生じている。その影響で本来の予定である次世代シークエンサー解析が行えていない検体が多く、そのための試薬の追加購入などの計画が遅れているため、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は平成29年度請求額を合わせて、PCRの再検討終了後ただちに次世代シークエンサーによる解析に使用すると共に、解析により得られた成果の学会発表、論文発表に使う予定である。
|