2016 Fiscal Year Annual Research Report
The role of cancer stem cell-like sphere forming cells in multi-organ metastasis of lung cancer
Project/Area Number |
15K19420
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
荻野 広和 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (20745294)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肝転移 / 癌幹細胞 / 肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにヒト肺小細胞癌細胞株(SBC-5)およびヒト肺腺癌細胞株(LC-319/bone2)を、in vitroにおいて特殊環境下で培養することにより、sphere形成癌幹細胞様分画の単離に成功した。またこれらはNANOG、CXCR4などの幹細胞マーカーを高発現することを確認した。これらの細胞をNK細胞除去SCIDマウスに接種したところ、両細胞株ともsphere形成癌幹細胞様分画群において親株群と比較し肝転移が大幅に上昇する結果が得られた。これらの結果からsphere形成癌幹細胞様分画は肝臓への臓器特異的転移を促進すると考え、親株とsphere形成癌幹細胞様分画の発現遺伝をcDNA microarray法を用いて比較したところ、複数の肝転移促進候補遺伝子が抽出された。 本年度はそれらの肝転移促進候補遺伝子の中から遺伝子Xに着目し、多臓器転移、特に肝転移形成における機能解析を行った。まずはRT-PCR法を用いて遺伝子Xの発現がsphere形成癌幹細胞様分画において親株と比較し亢進していることを確認した。次にレンチウイルスベクターを用いた遺伝子Xに対するshRNAおよびコントロールとしてのscramble shRNAをSBC-5細胞へ導入することで、SBC-5の遺伝子X発現抑制株を樹立した。次にこのSBC-5遺伝子X発現抑制株とscramble shRNA導入株からそれぞれsphere形成癌細胞様分画を単離し、NK細胞除去SCIDマウスに接種したところ、遺伝子X発現抑制株において肝転移形成が抑制されることを確認した。これらの結果は遺伝子Xが肝転移特異的な転移形成において重要な役割を果たしている可能性が示唆する。現在肝組織を用いた免疫組織染色により、癌細胞と宿主細胞との相互作用に関する検討を行っており、今後遺伝子Xが肝転移形成を促進するメカニズムについて解明を目指している。
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Research Products
(1 results)