2016 Fiscal Year Research-status Report
PlGFを用いた慢性腎臓病における心血管病,腎障害進展の新規予測法と治療法の確立
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15K19462
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
松井 勝 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70533727)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | PlGF / sFlt-1 / VEGF / 心腎連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病は心血管病と末期腎不全の2つの発症リスクを有しているが,古典的な降圧剤や脂質代謝改善薬が両リスクの軽減に対する有効性は乏しい.分子機序に立脚した新規治療法が期待されているが,われわれは血管内皮増殖因子(VEGF)ファミリーの1つである胎盤増殖因子(PlGF)が基礎的かつ臨床的に動脈硬化疾患に関与することを証明してきた(Kidney int. 2014, J Am Soc Nephrol. 2015). 本研究の目的は慢性腎臓病における心血管疾患あるいは末期腎不全発症の新規バイオマーカーとしての血中PlGF濃度の有益性を証明し,PlGFアンタゴニストの投与が心血管疾患かつ腎硬化症の治療薬としての臨床応用に道筋を立てることを目的としている.維持透析患者205名の検討では,血中PlGF濃度は総死亡,心血管疾患に対する独立した危険因子であり,VEGFよりも予測因子として優れていた.さらに,年齢,血清アルブミン,冠動脈疾患の既往,脳性利尿ペプチド(BNP)にPlGFを加えたモデルではイベントの予測診断能がC統計で0.795と著明に向上した.この研究成果は既に論文化している(Am J Nephrol. 42: 117-125, 2015).また,40名の腹膜透析患者の検討では,血中PlGF濃度は腹膜機能と有意な正の相関を示し,腹膜透析の離脱ならびに心血管イベントの予測に優れていることを公表した(Cardiorenal Med. 6: 251-259, 2016).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は臨床的には維持透析患者の総死亡や心血管疾患の発症について解析した結果,上記の成績を得た.また,1300人の症例に対して測定したPlGFは,透析導入ならびにクレアチニンの倍化で規定した腎予後と独立した関連性を有することも分かっており,現在統計解析中である.PlGFの血中濃度が低いためか,ヒト腎生検組織において,PlGF抗体は不染であった.現在,5/6腎摘出を施行したマウスを用いた実験系で,腎細動脈に対するPlGF/Flt-1系の作用機序を調査している
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Strategy for Future Research Activity |
実験を共にする若手研究員が確保できたため,臨床的のみならず基礎的な実験を遂行している.PlGFのアンタゴニストであるsFlt-1のノックアウトマウスを用いて,糖尿病や一側尿管結紮,5/6腎摘モデルなど様々モデルを作成して,腎に対する影響を見る.
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Angiogenic Factors and Risks of Technique Failure and Cardiovascular Events in Patients Receiving Peritoneal Dialysis.2016
Author(s)
Matsui M, Samejima K, Takeda Y, Morimoto K, Tagawa M, Onoue K, Okayama S, Kawata H, Kawakami R, Akai Y, Okura H, Saito Y.
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Journal Title
Cardiorenal Medicine
Volume: 6
Pages: 251-259
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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