2016 Fiscal Year Research-status Report
脂質によるαシヌクレインのプリオノイド化と脳内伝播メカニズムのin vivo解析
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15K19502
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
鈴木 マリ 公益財団法人東京都医学総合研究所, 運動・感覚システム研究分野, 主任研究員 (20455405)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / レビー小体型認知症 / αシヌクレイン / ショウジョウバエ / 脂質 / ライソソーム病 |
Outline of Annual Research Achievements |
孤発性パーキンソン病(PD)やレビー小体型認知症(DLB)において疾患の野生型αシヌクレイン(αSyn)が毒性および伝播性を獲得(プリオノイド化)し、疾患の発症・進行の原因となることが考えられる。本研究では、αシヌクレイン(αSyn)が毒性および伝播性を獲得(プリオノイド化)するメカニズムとして脂質に着目し、1)αSynのプリオノイド化に影響する脂質要因、および2)プリオノイド化αSynの脳内伝播メカニズムを明らかにすることを目的としている。今年度は1)に関して、昨年度に同定したαSynの異常構造化に影響を及ぼす可能性のある脂質に関する生化学実験を進め、seeding効果に対する影響に関する追加データを得た。また、2)に関して、αSynの脳内伝播をモニターするショウジョウバエモデル樹立のためのベクター構築を行った。現在、トランスジェニックショウジョウバエを作製中であり、次年度解析予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記1)に関して、昨年度同定した一種の脂質に関してはショウジョウバエモデルにおける毒性評価までを完了しているが、同定した他の脂質に関してのショウジョウバエモデルにおける毒性評価が準備段階である。また上記2)に関して、プリオノイド化αSyn脳内伝播モニターショウジョウバエの樹立が遅れ解析に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年延長し、ショウジョウバエモデルにおけるプリオノイド化αSynの毒性評価、およびプリオノイド化αSyn脳内伝播モデルショウジョウバエの解析を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
期間中に研究代表者の異動が二度あったため研究が遅れ、プリオノイド化αシヌクレインの脳内伝播モデルショウジョウバエの解析に関する一部の実験を次年度に行うよう計画を見直したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
プリオノイド化αシヌクレインの脳内伝播モデルショウジョウバエの解析実験を行うためのショウジョウバエ飼育費用、解析用の消耗品費用として平成29年度中に使用する。
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Remarks |
[受賞] 第26回 日本病態生理学会大会 奨励賞 [受賞] 第10回 パーキンソン病・運動障害疾患コングレス 最優秀ポスター賞
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