2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of tetrahydrobiopterin-induced BAT differentiation and regulation of glucose as well as energy metabolism
Project/Area Number |
15K19514
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 義人 京都大学, 医学研究科, 助教 (50547809)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 褐色脂肪組織 / 肥満 / 糖尿病 / eNOS |
Outline of Annual Research Achievements |
テトラヒドロビオプテリン(BH4)はチロシン水酸化酵素(TH)や一酸化窒素合成酵素(NOS)の酵素反応の補酵素として働く必須の共因子である。THが合成に関与するノルアドレナリン(NA)やNOは褐色脂肪組織(BAT)の主要な制御因子である。しかしながら、BH4がBAT機能および全身の糖・エネルギー代謝制御機構に与える影響について検討した報告はない。 本研究では、BH4産生量の減少が確認されているhph-1マウスおよびそのバックグラウンドマウスに通常食または高脂肪食負荷を行い、BAT機能および糖・エネルギー代謝への影響について検討した。 高脂肪食負荷によりhph-1マウスでは体重ならびに脂肪量の顕著な増加が観察された。hph-1マウスは深部体温の低下を認め、耐糖能異常、インスリン抵抗性を呈していた。hph-1マウスではBATにおけるUCP1等のBAT関連遺伝子の発現および寒冷誘発性熱産生の減弱が認められ、BATの機能障害が示唆された。BH4を10日間連続で投与することにより、BAT機能の活性化が確認され、深部体温の上昇ならびに耐糖能異常の改善が示された。BH4の欠乏したhph-1マウスに対し、バックグラウンドマウス(BH4正常)由来のBATを移植したところ、熱産生能ならびに耐糖能の改善を認め、脂肪蓄積の減弱を観察した。 BH4欠乏マウス由来のBAT移植ではこれらの効果が乏しかったことから、BH4による糖・エネルギー代謝制御機構にはBATが中心的に関与していることが示された。hph-1マウスではNA、NO量の低下を認めた。単離褐色脂肪細胞にBH4を曝露すると、UCP1等の遺伝子発現が増加し、酸素消費速度(OCR)の増大が観察された。BH4によるUCP1発現の増大はNOS阻害剤により消失したことから、BH4の褐色脂肪細胞への直接作用はNO依存性であることが示された。 これらの結果から、BH4はBAT機能を介して、全身のエネルギー・糖代謝を制御すると考えられた。BH4は肥満症および糖尿病の治療標的となる可能性が示された。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] テトラヒドロビオプテリンによる糖・脂質およびエネルギー代謝制御機構の解明2016
Author(s)
藤田 義人,小栗 靖生,Abulizi Abdukadier,小原 章央,大橋 晶子,古谷 太志,松尾 奈緒美,福島 徹,長谷川 宏幸,細川 雅也,稲垣 暢也
Organizer
第59回日本糖尿病学会年次学術集会
Place of Presentation
京都
Year and Date
2016-05-19 – 2016-05-21
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