2016 Fiscal Year Annual Research Report
The role of unfolded protein response in brown adipocytes
Project/Area Number |
15K19516
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浅田 梨絵 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 助教 (70751882)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 褐色脂肪細胞 / 小胞体ストレス応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞体ストレス応答シグナルは小胞体ストレスに対する防御システムを駆動させるだけでなく、細胞の分化・増殖、エネルギー代謝など細胞の生理機能に重要である。本研究課題では、褐色脂肪細胞の分化・成熟、活性化機構において小胞体ストレス応答シグナルの重要性を明らかにすることを目的としている。前年度の解析から、褐色脂肪細胞の熱産生機能亢進において小胞体ストレス応答シグナル経路の一つであるIRE1α-XBP1経路が必要であることが明らかとなった。今年後は、褐色脂肪細胞の分化・成熟機構を中心に、小胞体ストレス応答関連分子であるBBF2H7に着目して解析を行った。BBF2H7は小胞体膜に局在する膜貫通型転写因子であり、BBF2H7欠損マウスは出生直後に死亡する。in vitro分化誘導実験系を用いて間葉系幹細胞から褐色脂肪細胞の分化過程におけるBBF2H7の発現および活性化状態を経時的に解析すると、分化の初期段階で発現が大きく増加・活性化していた。胎生期18.5日目のBBF2H7欠損マウスを解析すると、褐色脂肪細胞数が増加して組織が肥大化していた。組織学的・細胞生物学的解析からBBF2H7欠損褐色脂肪細胞は、細胞質中にグリコーゲンが大量に蓄積して脂肪滴が減少しており、細胞の成熟が不完全であることがわかった。一方、胎生期16.5日目では野生型とBBF2H7欠損マウスの間に大きな差は無かった。BBF2H7欠損マウスから褐色脂肪前駆細胞を単離し、in vitroで分化誘導を行うと、野生型と比較して脂肪滴が小さく、数も減少することが明らかとなった。以上の解析から、BBF2H7を欠損すると褐色脂肪細胞の分化・成熟が不完全となることが細胞・生体レベルで明らかとなり、分化過程の特に初期段階においてBBF2H7が必要であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)