2015 Fiscal Year Research-status Report
男性におけるテストステロン低下による非アルコール性脂肪肝炎発症機構の解明
Project/Area Number |
15K19522
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
千丸 貴史 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (20637889)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | テストステロン低下 / 非アルコール性脂肪肝炎 / モデルマウス / インスリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) は非アルコール性脂肪肝疾患 (NAFLD) における進行型の病態と考えられているが、発症機構の解明や予防・治療法の確立はなされていない。昨今NAFLDの危険因子として加齢などに伴うテストステロン低下が注目されている。研究代表者らはこれまでに、テストステロン低下による脂肪肝発症機構を明らかにしたが、NASH発症機構の解明には至っておらず、更なる研究が必要である。本研究は、ヒトNASH病態に近似したテストステロン低下NASHモデルマウスを新たに開発し、男性におけるテストステロン低下によるNASH発症機構を解明すること、およびNASHの予防・治療法確立の礎とすることを目的とする。本研究は、ヒトNASH病態に近似した新規NASHモデルマウスを開発し検証するため、得られた研究成果から実臨床への展開が現実的であり、NASHの新規薬物治療戦略確立へ貢献できると考える。 本年度は、研究代表者らの既報と本研究の予備実験を応用し、ヒトNASH病態に近似したテストステロン低下NASHモデルマウスを作製した。精巣摘出マウスに炎症を惹起させ、高脂肪食を投与することにより、テストステロン低下、内臓脂肪増加、インスリン抵抗性の表現型を呈し、肝臓に脂肪沈着および炎症性細胞浸潤・線維化を認めた。これらの病態は、テストストロンが低下した男性のNASH病態に近似しており、今後このモデルマウスを用いて研究を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画したモデルマウスを安定して作成することができているため、研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
作製したテストステロン低下NASHモデルマウスの血液生化学的分析、細胞生物学的分析、分子生物学的分析などを実施し、男性におけるテストステロン低下によるNASH発症機構を明らかにする。 テストステロン低下NASHモデルマウスに対するテストステロンやDHEA補充によるNASH重症度改善効果を検証する。
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Causes of Carryover |
研究は計画通り進んでいるが、物品費が予算を下回ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度残額4,789円を平成28年度のDNAプライマー費として使用予定です。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Testosterone stimulates glucose uptake and GLUT4 translocation through LKB1/AMPK signaling in 3T3-L1 adipocytes2016
Author(s)
Mitsuhashi K, Senmaru T, Fukuda T, Yamazaki M, Shinomiya K, Ueno M, Kinoshita S, Kitawaki J, Katsuyama M, Tsujikawa M, Obayashi H, Nakamura N, Fukui M.
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Journal Title
Endocrine
Volume: 51
Pages: 174-184
DOI
Peer Reviewed
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