2015 Fiscal Year Research-status Report
異常タンパク封じ込め機構における小胞体シャペロンBiPの機能解析
Project/Area Number |
15K19530
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
萩原 大輔 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (70710086)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 家族性中枢性尿崩症 / 小胞体ストレス / 小胞体シャペロン / BiP |
Outline of Annual Research Achievements |
家族性中枢性尿崩症(FNDI)モデルマウスのバソプレシン(AVP)ニューロンでは,小胞体の一部に変異タンパクが隔離された区画(ERAC: Endoplasmic reticulum-associated compartment)が形成される.本研究では,FNDIマウスのAVPニューロンにおいて小胞体シャペロンBiPのERAC形成に及ぼす影響を解析し,小胞体における異常タンパク処理機構の解明,さらには小胞体ストレスが関与する様々な疾患の治療戦略の開発につなげることを目的とする.AVPプロモーター制御下にBiP shRNAまたはBiPを発現させる組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターをFNDIマウスの視索上核にマイクロインジェクションすることで,視索上核のAVPニューロンに特異的にBiPをノックダウンもしくは過剰発現させる.AVPプロモーターを搭載したベクタープラスミドのAVPプロモーターの下流に4種類のマウスBiP shRNAおよびマウスBiP cDNA,Venus cDNAをそれぞれ導入し,それらを基にそれぞれのrAAVベクターを作成した.今後は,実験系の有効性を確認するために,AVPプロモーター制御下Venus発現rAAVベクターを視索上核に投与しAVPニューロン特異的なVenusの発現を確認する.その上で,FNDIマウス視索上核におけるAVPニューロン特異的BiPノックダウンもしくは過剰発現を行い,ERAC形成や多尿などの表現型に及ぼす影響を解析する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度の研究計画は,1.AVPプロモーター制御下BiP shRNA,BiP,Venus発現rAAVベクターの作製,2.FNDIマウス視索上核に対するrAAVベクター投与による視索上核AVPニューロン特異的BiPノックダウンおよび過剰発現の確認,であったが,rAAVベクターの作製のみに留まっている.
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Strategy for Future Research Activity |
完成したAVPプロモーター制御下BiP shRNA,BiP,Venus発現rAAVベクターを用いてFNDIマウス視索上核へのマイクロインジェクションを行い,視索上核AVPニューロン特異的BiPノックダウンおよび過剰発現の確認を早急に行う.FNDIマウスにおけるERAC形成や多尿などの表現型に及ぼす影響の解析は,これまでの経験から滞りなく行えるものと考えられる.
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