2016 Fiscal Year Research-status Report
視床下部 Agouti 関連蛋白のクッシング症候群における役割の解明
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15K19533
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
中山 修一 高知大学, 医学部, 助教 (20457394)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | クッシング症候群 / FGF21 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、クッシング症候群における過食・肥満の発言に、視床下部Agouti関連蛋白(AgRP)が必要か否かについて解明すること、および視床下部AgRPによる食欲促進作用の下流に、どのような分子機構が関与するのかを明らかにすることである。これらの基礎研究を通して、単純性肥満の病態解明・新規治療法開発に発展させることを目標とする。当初の研究計画は、①クッシング症候群モデルにおいてAgRPノックダウンした際の表現型解析(siRNA脳室内投与)、②AgRP欠損マウスを糖質コルチコイド過剰状態にした際の表現型解析(糖質コルチコイドの持続投与、AgRP欠損マウス×クッシング症候群モデルマウス交配)、③クッシング症候群におけるAgRP関連の新規食欲調節分子の探索(DNAマイクロアレイ)、④クッシング症候群患者の手術前後における血中AgRP濃度の解析であり、可能なものから順次進めている。 肝臓から分泌されるFibroblast growth factor 21(FGF21)は、エネルギー代謝亢進やインスリン感受性改善作用を持つ。近年、FGF21は絶食時に分泌亢進することが報告されているが、クッシング症候群など副腎グルココルチコイド過剰状態における分泌調節機構は明らかにされていない。この事に注目し、FGF21のクッシング症候群における新規食欲調節分子としての検討を行った。クッシング症候群モデルマウスおよびクッシング症候群患者血清を用いた検討では、クッシング症候群モデルマウスではFGF21の増加が示された一方、クッシング症候群患者については血中グルココルチコイドとFGF21の間に相関が認められず、これらのことからマウスとヒトではFGF21分泌調節機構が異なる可能性が示唆された。 これらの研究については、第90回内分泌学会学術集会にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画における、③クッシング症候群におけるAgRP関連の新規食欲調節分子の探索、④クッシング症候群患者の手術前後における血中AgRP濃度の解析 以上につき実施しており、当初の計画通りに比較的順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
①クッシング症候群モデルにおいてAgRPノックダウンした際の表現型解析(siRNA脳室内投与) こちらに関しては現在準備中であり、次年度以降に実施予定である。
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Causes of Carryover |
クッシング症候群モデルにおいてAgRPノックダウンした際の表現型解析(siRNA脳室内投与)などを次年度施行予定としたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、研究計画の通り、クッシング症候群モデルにおいてAgRPノックダウンした際の表現型解析(siRNA脳室内投与)などを実施していきたい。
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