2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K19565
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
廣田 智哉 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (30742845)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / Altered Peptide Ligand / グルコース-6-リン酸イソメラーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
抗原のT細胞エピトープ配列を一部置換した変異ペプチド(Altered Peptide Ligand; APL)は抗原特異的T細胞の免疫応答を抑制するとされている。このAPLを米穀に発現させることで、非侵襲的な経口投与による自己免疫疾患の抗原特異的治療を実現することが期待できる。本研究は、関節リウマチの病態形成への関与が報告されているグルコース-6-リン酸イソメラーゼ(GPI)のT細胞エピトープ配列を一部置換したAPLを米穀に発現させ(APL発現米)、これを経口投与することで抗原特異的に関節炎を制御する新規経口治療法の構築を目的としている。 GPIのT細胞エピトープ配列を一部置換したAPL(AA:IWYINCFACETHAML)を作成し、GPI誘導関節炎マウスの関節炎誘導時に共免疫することで、関節炎の重症度が有意に抑制された。GPIのT細胞エピトープ配列のAPLをキヌアカ米に遺伝子導入することで、栽培した米穀でAPLの発現が確認された。APL発現米の経口予防投与でGPI誘導関節炎マウスの肉眼的かつ病理組織学的な関節炎の重症度が有意に抑制された。APL発現米の経口予防投与でGPI誘導関節炎マウスの脾臓・所属リンパ節におけるIL-17産生、血清中の抗GPI-IgG抗体産生が有意に抑制された。APL発現米の経口予防投与でGPI誘導関節炎マウスの脾臓におけるFoxP3陽性制御性T細胞のFoxP3発現・GITR発現が有意に上昇した。 以上より、GPIのT細胞エピトープ配列を一部置換したAPL発現米の経口予防投与により、脾臓におけるFoxP3陽性制御性T細胞のFoxP3発現・GITR発現の上昇を介して、IL-17産生・血清抗GPI-IgG抗体産生を低下させ、GPI誘導関節炎を抑制する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定していた「GPI誘導関節炎マウスに対するAPLの関節炎抑制効果の検討」「APL発現米の作成」「APL発現米によるGPI誘導関節炎マウスの関節炎抑制機序の解明」をいずれも達成することができた。現在、これらの結果を英語論文にまとめて投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、腸管免疫の観点からもAPL発現米の免疫抑制機序の解明を進めるため、APL発現米を経口予防投与したGPI誘導関節炎マウスの腸管リンパ組織における細胞分画・発現分子・サイトカイン産生の解析、ラベリングペプチドを用いた腸管組織におけるAPLのトレース解析を予定している。 また、関節炎モデルマウスから得られた研究結果をヒト(関節リウマチ患者)の治療に還元するため、関節リウマチ患者から採取した末梢血を用いて、ヒトにおけるGPIのT細胞エピトープの同定とそのAPLの作成、APLによるヒトGPI反応性T細胞の抑制効果の検討を予定している。
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Research Products
(3 results)