2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K19572
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
伊藤 清亮 金沢大学, 大学病院, 医員 (10467110)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 糖鎖 / IgG |
Outline of Annual Research Achievements |
1.RA患者の血清IgG糖鎖の解析について。 まず、当院の倫理委員会から臨床研究の承認を得た。次に、DMARDs治療群、TNF阻害薬治療群、IL-6阻害薬群において、それぞれn=3で患者を選択した。そして、患者のプロファイル、関節リウマチ活動性のデータを抽出した。
2.in vitroの系を用いたTNFα阻害薬による糖鎖構造の変化の解析について。 まずは、自己抗体産生ハイブリドーマ(34-3CIgG2a:Shibata et al. Int Immunol 1990;2(12):1133-41)を培養した。その上清にIL-6、TNFαを加え1~2日間の培養を行った。RNAを抽出し、糖鎖合成酵素β4GalT1、ST6Gal1の発現を定量的PCRで解析し、比較を行った。その結果ガラクトース転移酵素であるβ4GalT1の発現は、IL6投与6時間後には低下したが、その後48時間後にはむしろ上昇した。ガラクトース転移酵素であるβ4GalT1の発現は、TNFα投与6時間後には低下したが、その後48時間後には元のレベルに戻った。また、シアル酸転移酵素であるST6Gal1の発現は、投与前のレベルが既に低く、サイトカイン投与でも低値で変わらなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたRA患者の血清IgG糖鎖の解析において、患者選択、医薬保健研究域・医学倫理審査委員会の承認を得ることができた。 in vitroの系を用いたTNFα阻害薬による糖鎖構造の変化の解析において、定量的PCRを行い基礎データを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.RA患者の血清IgG糖鎖の解析について。患者から同意をいただき、GlycanMap Xpressを利用し、血清IgG糖鎖解析を行う予定。糖鎖の変化が、治療法、あるいは活動性の影響を受けるかどうか検討する予定。 2.in vitroの系を用いたTNFα阻害薬による糖鎖構造の変化について。平成27年度の検体を用いて、β4GalT1以外の他のガラクトース転移酵素(β3GalT1、β3GalT2、α3GalT)の発現について検討する予定(Hennet T, Cell Mol Life Sci, 2002)。平成27年度は、サイトカイン濃度を1000ng/mlとしたが、100ng/ml、10ng/ml、1ng/mlにおいても同様に検討する予定。 3.炎症状態が糖鎖合成に与える影響について。前述のハイブリドーマを培養し、リポポリサッカライド(LPS)にて刺激し炎症状態にすることが、糖鎖にどのような影響を与えるか解析する予定。
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Causes of Carryover |
血清糖鎖解析は、1検体あたり約5万円となる。また米国にて解析するため、米国への郵送料も必要である。そのため、次年度にまとめて解析することとし、今回次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額は次年度に、患者から同意をいただき、GlycanMap Xpressを利用し、血清IgG糖鎖解析を行うために充当予定。糖鎖の変化が、治療法、あるいは活動性の影響を受けるかどうか検討する予定。
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