2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K19579
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菊池 潤 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (20570881)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 全身性エリテマトーデス |
Outline of Annual Research Achievements |
多彩な臓器病変を呈する全身性エリテマトーデスは、多彩な表現系を呈する患者群を内包する症候群と考えられている中で、個別化治療の必要性が重要な課題となっている。免疫学的異常をプロテオーム解析とエピゲノム解析で抽出し、臨床データと組み合わせることで新規関連バイオマーカーを抽出することを目的としている。個々の症例の免疫学的ステータスを見出し、生涯臓器や治療反応性、再燃の有無、予後との関連を解析する。 昨年度に引き続き、新規発症、再燃および症状の安定した全身性エリテマトーデスおよび健常人の末梢血中細胞表面蛋白発現を網羅的に解析した。少数例のマルチ表面タンパクスクリーニングプレートを用いたマルチカラーフローサイトメトリーによる解析で得られた複数の候補分子を組込み、さらに症例数および経時的データを積み重ね検討した。一部の末梢血細胞表面蛋白発現パターンが臨床所見と関連することが中間解析から判明した。これらは複数の臓器障害を持つ患者群で一定の発現パターンを呈し、活動性全身性エリテマトーデスの病態との関連が示唆され、さらに腎障害の治療反応性と関連した。関連する解析結果の一部を関連学会で報告した。また、新規候補分子に関しては関連する試験管内での検討を行い、全身性エリテマトーデス診療における意義づけを行なっている最中である。血漿成分および尿検体について、アプタマーを用いたタンパク発現網羅的定量解析を測定した。現在複数のパラメータを用いた解析を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたエントリー患者数が依然として下回っている。フローサイトメトリー解析における条件設定変更を余儀無くされたため、進行が予定よりも遅れた。また、特定の血清蛋白解析は症例集積後に同時に測定することで測定誤差を最小限にするため、来年度に症例数が一定に達した時点で測定する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
症例患者数を引き続き増やし、新規候補分子を含めた細胞表面蛋白発現解析を経時的に解析を進める。中間解析から得られた分子を中心に血清および尿の蛋白解析を開始し、継続する。エピゲノム解析における標的分子も可能な限り選定する予定である。同時に臨床情報を収集し、症例数が一定に達した時点で、個々の症例の免疫学的ステータスを解析する。
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Causes of Carryover |
本年度は患者エントリー数が想定よりも少なく、検体処理や解析に使用した物品が少数で賄えたため。購入予定であった試薬や測定キットは次年度に解析する際に購入予定とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は引き続き抗体試薬、測定キットを血清、尿での解析も含めて使用する予定である。
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