2015 Fiscal Year Research-status Report
HIV感染が胃の粘膜免疫やH.pylori胃炎に与える影響を探索する研究
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15K19584
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安達 英輔 東京大学, 医科学研究所, 助教 (80725804)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腸管遊走性リンパ球 / Helicobacter pylori / 胃粘膜免疫 / HIV/AIDS |
Outline of Annual Research Achievements |
研究開始から現在まで東京大学医科学研究所附属病院に通院中のHIV感染者より約80例の胃粘膜検体と末梢血単核細胞の検体を得ており、現在腸管遊走性リンパ球などについて免疫応答の検討を行っている。平成26年4月から平成27年5月までの全52例については胃体上部大彎および幽門前庭部大彎の胃粘膜検体によりupdated Sydney systemによる慢性胃炎の評価と、H.pylori感染の診断を行い、臨床情報を検討したものを第29回エイズ学会学術総会((東京)で発表した。ここで発表した臨床件のデータでは慢性胃炎とHIV感染症に関連した因子との関係を同定するには至っていないが、H.pylori感染についてはCD4数、ARTの有無、年齢、AIDS発症歴、検査時のPPI使用についての多変量解析で、現在もしくは過去のAIDS発症がないことと関連を認めていた(OR 0.20, p=0.024)。この結果は申請時の後方視的研究の結果を裏付けるもので、胃粘膜免疫の破綻とH.pylori感染との関連を示していた。また、最近ガーナ人を対象とした研究によってH.pylori感染がCD4陽性T細胞の免疫活性化マーカーを減少させていたことが報告されていた(Clin Infect Dis. 15;61:1615-23,2015.)。現在実験を行っている末梢血と胃粘膜の免疫状態との関連を調べる準備ができたと考えており、今後は研究の目的の一つであったリンパ球の遊走能について研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年4月より平成28年3月まで概ね目標通りの検体が集められており、当初の予定の実験の一つである病理組織学的検査は全例なされている。フローサイトメトリーを用いた患者由来の末梢血単核細胞を用いた免疫応答の検討については現在、基礎的な検討を行った段階であるが、CD4遊走能、T細胞活性化、T細胞披露・老化の検討を行う準備は終わっており、実験を開始している。対応する胃粘膜検体を用いたmRNA定量などによる遊走因子の解析は研究室の移動などもあり実験が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
末梢血単核細胞を用いた免疫応答の研究については実験を終えられる予定であり、予定どおり進めていく。胃粘膜免疫を用いた遊走因子の定量についても実験の環境ができ次第進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
現在、フローサイトメトリーの実験を用いる試薬の購入のために使用しているが、来年度に主要な実験を行う計画となり今後も必要であるため。来年度に研究成果の発表を行う予定となっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これからフローサイトメトリーの実験に用いる抗体などの試薬を購入や、研究成果の発表のための旅費、オープンアクセスジャーナルなどへのAPCに使用する。
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[Journal Article] Rapid HIV-1 Disease Progression in Individuals Infected with a Virus Adapted to Its Host Population2016
Author(s)
Katoh J, Kawana-Tachikawa A, Shimizu A, Zhu D, Han C, Nakamura H, Koga M, Kikuchi T, Adachi E, Koibuchi T, Gao GF, Brumme ZL, Iwamoto A.
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Journal Title
Plos one
Volume: 11
Pages: e150397
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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