2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K19599
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐藤 裕子 (早川裕子) 山形大学, 医学部, 医員 (10594301)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | UGT1A1 / OATP / 高ビリルビン血症 / 母乳栄養 / 糖水摂取 |
Outline of Annual Research Achievements |
新生児期は生理的に高ビリルビン血症(高ビ血症)を来たし易く、治療を要する高ビ血症は日本人を含めた東アジア人で頻度が高い。また重篤になると核黄疸を来たし致死的となる。高ビ血症の明確な原因は未だ不明であり、治療を要する高ビ血症を来たす児は多い。 我々はその原因解明を目的として、現在までにビリルビンの抱合酵素であるビリルビンUDPグルクロン酸トランスフェラーゼ(B-UGT)のUGT1A1遺伝子Gly71Arg多型が日本人に頻度が高く、高ビ血症に深く関連していると報告した。しかし、前述の多型が新生児高ビ血症のすべてを説明できるわけではない。そこで母乳栄養児におけるGly71Arg多型と母乳不足(体重減少)、高ビ血症の関連に着目し検討したところ、Gly71Arg多型は母乳不足の状況下で初めて危険因子となることを明らかにし、多型を保有する児でも栄養状態を改善することで治療を要する高ビ血症を回避できる可能性を明らかにした。 これらの結果を踏まえ、我々は更なる原因究明のため、肝細胞膜のビリルビン輸送タンパクである有機アニオントランスポーター(OATP)の遺伝子多型と高ビ血症の関係に着目し、満期産母乳栄養児401名におけるOATP遺伝子群の4つの多型と体重減少率、高ビ血症の関連について統計解析を施行した。結果、これらの遺伝子多型は体重減少率が10%以上の児ではじめて高ビ血症の危険因子となることを報告した。研究は計画より早期に進展し、2015年1月にJournal of Human Geneticsに掲載された。さらに2015年11月には第57回日本先天代謝異常学会/第13回アジア先天代謝異常症シンポジウムでの研究発表を行った。 現在は、糖水の投与が小腸のUGT1A1遺伝子の発現を促進するとの報告を踏まえ、前述の遺伝子多型と糖水摂取の関連について、データを解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文の作成が順調に進み、2015年にJournal of Human Geneticsに掲載された。また、アジア先天代謝異常症シンポジウムでの研究発表や、今年度も全国学会での発表を予定しており、研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
新生児高ビリルビン血症の病態解明についてさらに研究を進める。具体的には母乳不足時の糖水補給と遺伝子多型、高ビリルビン血症の関連について、データ解析を進める。
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Causes of Carryover |
予定より研究費用が抑えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
UGT1A1,OATP(SLCO)遺伝子解析のための試薬・消耗品の購入、学会旅費等。
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Research Products
(1 results)