2015 Fiscal Year Research-status Report
MLL再構成陽性急性リンパ性白血病の病態解明と治療法の開発
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15K19601
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
青木 由貴 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 非常勤講師 (90706839)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | MLL / 乳児白血病 / ALL / 疾患モデル / 白血病幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、化学療法の進歩により小児の急性白血病の予後は著しく改善したが、乳児期発症のMLL再構成陽性の急性リンパ性白血病(ALL)は依然として予後不良の疾患であり、白血病発症の機構を明らかにし、新規治療法の確立が望まれる。 今年度は免疫不全マウスへの白血病移植モデルを用いてin vivoの薬剤投与の系の確立を試みた。乳児白血病細胞を用いる前に、まず別のヒト白血病由来細胞(HAL-01)を免疫不全マウスであるNSG mouseに移植し、白血病発症及び化学療法の有効性を検討した。ヒトHAL-01由来の急性リンパ性白血病を発症したマウスを用いて薬剤投与実験を行った。アントラサイクリン系抗がん剤であるドキソルビシンを投与した群は化学療法に伴う毒性によりすぐに死亡したため、2mg/kgから用量を振ってドキソルビシンの至適用量を確立した。今後は乳児白血病由来細胞を異種移植したマウスで既知の抗がん剤に加えてMLL再構成陽性ALLに有効とされる分子標的薬を用いて薬剤投与実験を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は免疫不全マウスへの白血病移植モデルを用いたin vivoでの薬剤投与の系が概ね確立し、順調に進展している。次年度はMLL再構成陽性急性リンパ性白血病に有用な分子のスクリーニングを行い、新規標的分子を抽出し、その分子のin vitroや白血病モデルマウスにおける細胞死誘導効果の検証にも着手する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は乳児白血病由来細胞を異種移植したマウスで既知の抗がん剤に加えてMLL再構成陽性ALLに有効とされる分子標的薬を用いて薬剤投与実験を検討する。 さらに分子化合物ライブラリーを用いて、MLL再構成陽性白血病に特異的に細胞死を誘導する化合物や分子を抽出し、新規の標的治療薬の候補となりうるかを以下の方法で検討する。1)標的分子が含まれる経路を標的とした化合物によって、MLL再構成陽性白血病に特異的な細胞死誘導するかを検討する。 2)MLL再構成陽性白血病を含む他の白血病細胞株約30株を用いて、in vitroで候補分子の有効性の評価及び効果がMLL再構成陽性白血病に特異性があるかを確認する。3)白血病モデルマウスを用いたin vivoで候補分子の有効性及び毒性を評価する。
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Causes of Carryover |
次年度は今年確立されたマウスへの異種移植実験系を用いて、より多くのマウスや薬品、抗体薬を使用することが予想され、次年度使用額に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費38万、人件費20万、その他10万
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Research Products
(5 results)