2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K19602
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高澤 啓 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 非常勤講師 (50749463)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インスリン受容体 / 妖精症 / A型インスリン抵抗症 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 妖精症例(自験例)とA型インスリン抵抗症例(山形大学症例)のインスリン受容体遺伝子解析を通じて、それぞれS98RとG1146Rという2種の新規ミスセンス変異を同定した。これらの変異はin slico解析にて疾患原性が強く示唆されるとともに変異部位のアミノ酸は脊椎動物間でよく保存されていることがわかった。強制発現系を用いたin vitro機能解析によって両変異はそれぞれインスリン結合能とインスリン受容体下流のリン酸化が障害されることを確認した。 2) 妖精症例において、S98Rを持つ母方アレルに対して父方アレルにはPCR-直接シークエンス法で明らかな変異は認めなかった。SNPアレイおよびcDNAに対するPCR-直接シークエンスによって明らかなdeletionを認めなかった。患者および父のリンパ球由来の不死化細胞を用いたqRT-PCRにおいて両者で明らかにインスリン受容体遺伝子のmRNA発現が低下していることが確認された。インスリン受容体遺伝子発現低下の原因検索として、インスリン遺伝子発現を調節するHMGA1遺伝子および既知のインスリン受容体遺伝子のプロモーター・エンハンサー領域のシークエンスを行ったが明らかな異常は見いだせなかった。今後は次世代シークエンサーを用いた網羅的解析を予定している。 3) 国内のインスリン受容体異常症(妖精症、Rabson-Mendenhall症候群、A型インスリン抵抗症、B型インスリン受容体抵抗症)の診療実態把握のため、アンケート調査の原案を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自験例に加え、学会レベルでの活動により紹介症例が追加されることで新たな新規変異が同定された。 同定された新規変異の機能解析は順調に終了し、この検査系は今後も利用可能と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
更なる症例および解析データの集積を行っていく。 未知のインスリン受容体遺伝子発現調節機能の異常に関しては網羅的手法を導入していく。
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Causes of Carryover |
実験試薬等の物品購入額の請求が年度を超えて繰越となっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越金は次年度の物品購入費に加え使用する予定である。
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