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2015 Fiscal Year Research-status Report

腸管バリア機能の構築における腸内細菌の関与

Research Project

Project/Area Number 15K19607
Research InstitutionUniversity of Yamanashi

Principal Investigator

大岡 杏子  山梨大学, 総合研究部, 助教 (50569019)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2017-03-31
Keywords小児免疫 / アレルギー / 膠原病学 / 腸内細菌
Outline of Annual Research Achievements

新生児は産後数週間で腸管上皮細胞のタイトジャンクションタンパク質の発現が促され腸管バリア機能を獲得する。しかしながら新生児において腸管バリア機能を発達させるメカニズムはまったくわかっていない。近年、腸内細菌叢は腸管粘膜免疫系の発達に重要な役割を果たすことが明らかになってきた。本研究の目的は母親由来の腸内細菌叢が粘膜免疫系だけでなく腸管上皮細胞のバリア機能の正常な発達にも関与することを証明することである。本研究成果は腸内細菌叢と腸上皮細胞の新たな関係を示すとともに乳幼児期のアレルギー性疾患や腸管感染症の予防法の開発に役立つ。
そこで、新生児の腸上皮細胞のタイトジャンクションタンパク質の発現及び腸管バリア機能の正常な発達に腸内細菌叢が寄与しているか否かについて明らかにすることを目的とする。
平成27年度は、腸上皮細胞のタイトジャンクション構成因子の発現が週齢によって異なるか、また、これが、母親の腸内細菌叢を変化させるとどのように変化するか解析を行なった。
具体的には、新生児-1d,乳児期-1w,2w,3w、成獣マウスから腸上皮細胞を採取し、タイトジャンクション構成因子のRNAの発現量を解析し、週齢が進むにつれ、発現量が高くなることを示した。evans-blueを用いたin vivoの腸管透過性の解析やFITC-dextranを用いた in vitroの腸管透過性の解析も試みたが、マウスの週齢によって腸管のサイズが大きく異なるため、解析方法が難しく、現在検討中である。
次にGerm freeマウスを用いて各週齢から腸上皮細胞を採取し、タイトジャンクション構成因子のRNAの発現量を計画していたが、現施設では、Germ-freeマウスの作製が困難である。母親マウスに抗生物質を投与することで、腸内細菌叢を変化させ、現在検討中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究代表者が出産、産休のため、約半年間休暇を取ったため。
また、週齢の小さいマウスを用いているため、実験が難しく、手技の取得に時間がかかったため。
今後はこれらの点を考慮しながら、研究代表者が所属する研究室の中尾篤人教授とDiscussionしながらスムーズに計画を進める予定。

Strategy for Future Research Activity

今後は、抗生物質を投与した母親マウスから産まれた子供から腸上皮細胞を新生児-1d,乳児期-1w,2w,3w、成獣マウスと経時的に採取し、タイトジャンクション構成因子のRNAの発現量を、抗生物質を投与していない母親マウスから産まれた子供と比較する。差があった場合は、抗生物質を投与した母親マウスから産まれた子供の新生児、あるいは乳児期に抗生物質を投与していない成獣の糞を塗布、または摂食させる。この実験によって、腸管バリア機能の正常な発達に、新生児期から母親の腸内細菌が必要か、あるいは乳児期に腸内細菌を定着させれば腸管バリア機能が正常に発達するか否か検討する。
また、経膣分娩または帝王切開した新生児を里親に育てさせ、新生児、乳児期のマウスの腸上皮細胞のタイトジャンクションタンパク質の発現の比較を行う。これらの実験によって、腸上皮細胞のタイトジャンクションタンパク質の発現及び腸管バリア機能の正常な発達に母親由来の腸内細菌叢が寄与しているか否か明らかにする。
腸内細菌叢が腸上皮細胞のタイトジャンクションタンパク質の発現制御を行なっている事が示せた場合、抗生物質を投与した、あるいは投与していない母親から産まれたマウスの新生児-1d、乳児期-1w,2w,3w、成獣マウスの腸上皮細胞のゲノムを抽出し、変化の見られたタイトジャンクション構成因子のプロモーター領域のヒストンアセチル化状態を解析する。良好な結果が得られなかった場合は、タイトジャンクション構成因子直接ではなく、タイトジャンクションタンパク質の発現調節に関与する転写因子であるsnailタンパク質に着目してプロモーター領域のヒストンアセチル化状態を解析する。

Causes of Carryover

申請者が、半年間の産休、育休の休暇を取得したため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

繰り越し費は予め計上していた1,500,000円と合わせて平成28年度にマウス、試薬などの物品費として使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2016 2015 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Synergistic anti-tumor effect with indoleamine 2,3-dioxygenase inhibition and temozolomide in a murine glioma model.2016

    • Author(s)
      1.Hanihara M, Kawataki T, Oh-oka K, Mitsuka K, Nakao A, and Kinouchi H
    • Journal Title

      Journal of Neurosurgery

      Volume: in printing Pages: in printing

    • DOI

      10.3171/2015.5.JNS141901

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] レスベラトロール二量体であるε-ビニフェリンによるIgE依存性アレルギー反応の抑制効果.2015

    • Author(s)
      齋藤一歩,大岡杏子,久本雅嗣,奥田徹,中尾篤人
    • Organizer
      第64回日本アレルギー学会学術大会
    • Place of Presentation
      グランドプリンスホテル新高輪 (東京都港区)
    • Year and Date
      2015-05-26 – 2015-05-28
  • [Remarks] 山梨大学医学部免疫学講座ホームページ

    • URL

      http://www.med.yamanashi.ac.jp/clinical_basic/para0imm/member/hayashi/hayashi.php

URL: 

Published: 2017-01-06  

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