2015 Fiscal Year Research-status Report
ヒトヘルペスウイルス6B感染児におけるCD134発現T細胞の証明
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15K19613
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
長坂 美和子 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (70723998)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ヒトヘルペスウイルス6B / 突発性発疹症 / CD134分子 / 宿主レセプター |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、初期急病センターを受診した0歳~4歳の発熱患者から、のべ233検体を収集し、ヒトヘルペスウイルス6B(HHV-6B)感染症に関する解析を行った。 HHV-6Bは乳幼児期に突発性発疹症を引き起こす。突発性発疹症は自然治癒し予後良好なウイルス感染症であるが、一部に脳炎/脳症などの重篤な合併症を起こすことがあり臨床現場では大きな問題となっている。我々はこのHHV-6Bの宿主レセプターが活性化したT細胞に発現しているCD134分子であることを基礎実験において明らかにしたが、実際のヒトにおいて、HHV-6B感染時のT細胞にCD134分子が高発現しているのかを証明した報告はない。我々は、HHV-6B感染症児のT細胞においてCD134分子が高発現しているかどうかを明らかにすることで、HHV-6B感染症の病態解明や脳炎/脳症発症のメカニズム解明、ひいてはCD134分子を標的とした治療法の開発などにつながると考え、本研究を計画した。 我々は収集した233検体より末梢血単核球の分離、DNAの抽出を行い、PCR法を用いて30検体よりHHV-6BのDNAを検出した。同時に間接蛍光抗体法にてHHV-6B抗体価を測定し、HHV-6BのDNAが検出された30検体すべてにおいて抗体価陰性であることを確認し、HHV-6B初感染と診断した。CD134分子の発現はフローサイトメトリ―を用い、233検体すべてにおいて確認した。現在、これらの結果をまとめ、データ解析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に検体を収集し、解析を進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
検体収集は順調に行えており、引き続き解析を行う。 また得られたデータの学会、論文発表を行っていく。
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Causes of Carryover |
予定していた人件費、謝金などへの支払いが本年度は必要なかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き、実験試料などの消耗品の購入、学会・論文発表などに使用する。
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