2015 Fiscal Year Research-status Report
プラダー・ウィリー症候群の行動異常の発症機序の解明と治療法の確立
Project/Area Number |
15K19630
|
Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
綾部 匡之 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他部局等, 研究員 (80566555)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | プラダー・ウィリ症候群 / 日中過眠 / オレキシン |
Outline of Annual Research Achievements |
プラダー・ウィリ症候群患者では、日中過眠のためにQOLが低下する、また、さぼっているなどと誤解され、周囲とトラブルになることがある。本研究の目的は、プラダー・ウィリ症候群の日中過眠が視床下部の機能低下に由来する病態であることを明らかにすることである。そのために、プラダー・ウィリ症候群患者の髄液を採取し、髄液オレキシン濃度の測定を実施した。10歳以上の12名のPWS患者のうち7名で髄液オレキシン濃度が正常値以下に低下することを確認した。さらに、日中過眠の重症度スケールであるエップワース眠気尺度を用いた統計学的な検討で、髄液オレキシン濃度と日中過眠の重症度との間に有意な負の相関があることを見出した。これらの結果からプラダー・ウィリ症候群の日中過眠は、視床下部オレキシン機能の低下が関与することが推察された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遅れた背景として、本研究課題の一部成果について共同研究者が論文化を行ったために、重複制限とならないために、新規性のある結果を含めた別論文として投稿する必要が生じたことがある。新規性のある結果については得られており、今年度中の論文化を目指している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度中の論文投稿予定。
|
Causes of Carryover |
翌年度に海外学会での研究成果発表や論文化(英文校正費用)を予定しており、論文のレビュアーから追加実験を要求されたときにかかる試薬費用を残しておく必要があったため、翌年度の予算を最低100万円は残しておきたいと考えたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は海外学会参加費用や論文化費用、追加実験に必要な物品と試薬の購入費用に充てることを計画している。
|
Research Products
(7 results)