2016 Fiscal Year Research-status Report
ブタ肺静脈に対する薬剤溶出性ステント留置後の再狭窄における病理学的検討
Project/Area Number |
15K19635
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
古川 岳史 順天堂大学, 医学部, 助教 (30567996)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肺静脈 / 薬剤溶出性ステント / ブタ |
Outline of Annual Research Achievements |
新生児・小児の肺静脈狭窄病変は症状の進行が速く、重篤かつ致死的となる。それらに対して現在、外科治療に加え一部カテーテル治療が試みられているが、その多くは術後再狭窄や閉塞を来たし、有効な治療とは成り得ていない。 小児において冠動脈、肺動脈狭窄、大動脈狭窄に対するステインと治療は有効性が示されている。一方、薬剤溶出性ステントは、従来の金属ステントに代わり成人領域では冠動脈での開存率が向上し主流となりつつある。静脈血管に対しても有用性が期待されるが、小児の肺静脈狭窄病変の薬剤溶出性ステント治療は症例数が少なく、多数の症例や長期の経過観察を行った報告は現在のところみられない。いまだ効果と安全性は明確ではない。そこでこの解決法を見出すため、ブタを使用した動物実験において、薬剤溶出性ステントを留置しそれに対するステント内狭窄や病理学的変化・血栓形成などの副反応を調査し、小児の肺静脈狭窄病変に対する治療のモデルとして薬剤溶出性ステントの有用性を検討することを目的としている。 現時点での実験の成果としては、当院の透視設備のある動物実験室において、静脈麻酔による全身麻酔下にて呼吸器管理を行い、左開胸を行い、左心房より外科的手技とカテーテルの使用によるハイブリッド手技による肺静脈へのステント留置、造影検査の手順までは可能であり実験手技については確立しつつある。されにRF wireによる心房間交通の作成からのステント留置も検討している。 現在は種々の薬剤溶出性ステントにおいて最適なものを考慮しており、分権的な検討や学会参加を行い、より効果的なステントの再検討を行っている。ステントを決定の後に実験を進める予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験方法については確立しているが、当初使用する予定であった金属ステントと薬剤溶出性ステントについて、より先進的かつ効果的なステントについて検討を行っている。 静脈に対する薬剤溶出性ステントの報告は少なく、文献的報告・学会報告を再検討している。しかしいまだに実験報告がすくなく難渋している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は薬剤溶出性ステントについて再検討を行った後に、実験を進めていく。 具体的には当初の実験計画に乗って、生後一ヶ月の雌の家畜ブタに薬剤溶出性ステント:ステント種類再検討中(3.5mm径x20mm)と金属ステント:薬剤を塗布していない同形態のステントを留置する。6か月後に造影検査と剖検を行う。採取したステント留置肺静脈にCole's HE染色を行う。肺静脈阻止への障害の程度の指標として我々の作成した Pulmoanry vein injury score classificationにより描くステントストラットにおけるInjury scoreとその部位における新生内膜の肥厚を計測し2群間の比較検討を行う。
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Causes of Carryover |
実験が計画通り進めることが出来ず停滞していたため、予定通りのステント購入や動物実験に使用するブタの購入を行うことが出来なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、実験を進めるにあたり、実際にブタの購入・ステントの購入を行い、実験を行い、また病理学的な評価も行っていく予定。
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