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2016 Fiscal Year Research-status Report

Gorlin症候群に発症した髄芽腫における固体内の遺伝的多様性の解析

Research Project

Project/Area Number 15K19638
Research InstitutionJikei University School of Medicine

Principal Investigator

山岡 正慶  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (70614874)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
KeywordsGorlin症候群 / 髄芽腫 / ヘッジホッグシグナル
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、家族性腫瘍症候群であるGorlin症候群(GS)における髄芽腫発症の分子基盤を明らかにすることを目的としている。今回、当院で経験したGSを伴う髄芽腫と非GSの髄芽腫においてソニックヘッジホッグ(SHH)シグナルを中心とした分子遺伝学的差異について解析した。平成27年度まではGS2例と非GS3例での解析としていたが、その後症例は増え、非GSは計7例となった。解析法は主に腫瘍検体におけるSHHシグナル関連分子の免疫染色に加え、FISH法によるMYCNコピー数解析を行った。また、GS随伴髄芽腫においてはaCGH解析も行った。SHH群髄芽腫の診断に有用とされる特殊染色である、GAB1、YAP1、Filamin Aの染色に加え、SHHシグナルに関連した分子の発現を評価すべく、PTCH1、Gli1、Gli2の免疫染色を試みた。その結果、GS群と非GS群の髄芽腫の間で明らかな差異を見出すことはできなかった。また、GS関連の髄芽腫2例において、昨年度に施行したCancer Panelを用いた網羅的遺伝子解析では特徴的な分子遺伝学的差異は明らかにならなかったが、今回MYCN遺伝子のFISH解析を施行したころ、PTCH1変異のある退形成性髄芽腫においてMYCN遺伝子の増幅を確認した。また、同検体の染色体Gバンド解析やaCGH解析においても複雑な染色体変異を同定することが出来た。これまで、GS関連髄芽腫のほとんどがDesmoplastic /Nodularタイプで比較的予後良好な症例が多いのに対し、本症例では転移を有し、病理学的にもより異形成の強いものであり、GSに関連した遺伝的変化以外の付加的因子の存在が予想されていたが、今回の解析にて、いわゆるChromothripsisの様な染色体レベルの複雑な変化が悪性化を誘導したことが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

免疫染色における各種抗体の条件設定に難渋し時間を要したが全て終了した。免疫染色や網羅的遺伝子解析の結果、特徴的な分子遺伝学的差異が見られなかったため、より詳細な染色体および蛋白レベルの評価を加える必要が出てきた。

Strategy for Future Research Activity

今後は非GS-SHH群髄芽腫の追加症例分の解析を進めることに加え、ウエスタンブロット法やaCGHを追加し、腫瘍発生におけるSHH系以外の付加的因子を導き出す。今年度中に解析がすべて終了予定であり、終了後論文発表を行っていく予定である。

Causes of Carryover

これまでの免疫染色や網羅的遺伝子解析の結果から、すべての症例に同じような解析を適応する意義が乏しくなり、外注による高額な検査を避けることが出来た。そのため、次年度に染色体や蛋白を中心とした解析を追加することとなった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成29年度はFISH解析やウエスタンブロット法に必要な各種試薬や消耗品等の購入、外部委託検査に使用する予定である。

URL: 

Published: 2018-01-16  

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