2016 Fiscal Year Research-status Report
ナンセンス変異依存性mRNA分解制御による筋ジストロフィー分子治療効率化の検証
Project/Area Number |
15K19641
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
李 知子 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10596042)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Duchenne型筋ジストロフィー / リードスルー / ナンセンス変異 / ナンセンス変異依存性mRNA分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
Duchennne型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy: DMD)に対する根治的治療の一つとして、mRNA上のナンセンス変異を読み飛ばしジストロフィンを産生させるナンセンスリードスルー誘導治療の開発が進んでいる。しかし、生体にはナンセンス変異依存性mRNA分解(nonsense-mediated mRNA decay: NMD)機構が備わっているため、ナンセンス変異を有するDMD患者ではmRNAが分解され、このことが治療効果の妨げになっている。本研究では、ナンセンス変異を有するDMD患者においてNMDを制御し得ることを明らかにし、さらにリードスルー誘導治療にNMD制御を導入することにより、より高いジストロフィン発現効果が得られることを検証する。平成28年度は、27年度に引き続き、 DMD症例の血液より抽出したDNAを用いてジストロフィン遺伝子の解析を行い、次世代シークエンサーもしくはサンガー法によりナンセンス変異を同定した。ナンセンス変異を有するDMD患者より採取した筋組織由来の培養筋細胞においてリアルタイムPCR法を用いてmRNAを定量し、正常筋由来の培養筋細胞mRNAと発現量を比較し、各症例ごとの差(個体差)についても検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究者の異動に伴って、遺伝子解析や細胞培養系の確立に時間を要したこと、また各研究の倫理申請に時間を要したことなどにより、本来の進捗予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)caffeine、wortmannin、Pateamine A あるいはUPF1に対するRNAiなどを用いてNMDを制御することによりmRNA量が増加することを検証する。 2)DMD患者由来培養筋細胞におけるアルベカシンによるナンセンス変異リードスルー誘導治療 に、NMD制御を導入し、ジストロフィン蛋白発現が増加することを検証する。 3)ナンセンス変異を有するDMDモデルマウスであるmdxマウスにおいて、ナンセンス変異リ ードスルー治療にNMD制御を導入し、その有効性を検討する。
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Causes of Carryover |
試薬を予定よりも安価に購入できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の試薬の購入などの研究費にあてる予定である。
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Research Products
(1 results)