2016 Fiscal Year Research-status Report
完全大血管転位術後遠隔期の冠状動脈内皮機能異常に関する検討
Project/Area Number |
15K19643
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
岸本 慎太郎 久留米大学, 医学部, 助教 (60648632)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 完全大血管転位症術後遠隔期 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究に同意した患者の登録作業を行った。具体的には、久留米大学医学部小児科内のインターネットに接続していないパソコンに登録を行っている。 研究参加者の基礎データを採取しているところである。具体的には、診療録より後方視的に、もしくは外来受診時に、研究参加者の年齢、手術歴、自覚症状、現在の内服薬について情報収集をしている。 また、研究参加者の現在の循環器的一般評価を行った。具体的には、身長、体重、BMI、腹囲、血圧、心拍数の測定も行ない、さらに、胸部聴診などの一般診察や、心エコー・心電図・胸部レントゲンなどの循環器一般検査を行い、現状の循環器的一般評価を行った。 また、冠状動脈危険因子・動脈硬化危険因子の存在の有無をチェックするため、血液採取を行った。具体的には、血糖や脂質系の測定を行って、現状の評価を行った。 将来的に冠状動脈の慢性炎症がPET/CT検査で証明されれば、その裏付けとして、高感度CRP、IL-6、IL-1βなどの測定を行う予定があり、そのための準備も行った。具体的には、一般血液検査時に採取した液の一部(5ml程度)を、遠心分離の上、血漿を久留米大学医学部小児科内の冷凍庫に-80℃で冷暗所保存を行った。 今後は、PET/CT検査などの諸検査を予定しているところである。研究の肝である冠状動脈PET/CT検査を行えていないため、PET/CTで得られた炎症の数値とその他の評価項目の解析が出来ず、具体的な研究実績は現時点では挙げれていない。まずは、冠状動脈PET/CT検査を出来るだけ急いで施行したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
患者登録は行ったが、冠状動脈の炎症の有無の評価、血液バイオマーカーの測定、全身の血管の硬さの評価(PWV, 頸動脈エコーなど)は進んでいないため
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Strategy for Future Research Activity |
心臓カテーテル検査のために入院が必要になることに抵抗を示す術後遠隔期患者が多く、 患者登録が遅れ、その結果、検査が進んでいないという現状に至っている。 先行研究で、アセチルコリン負荷試験により冠状動脈の血管内皮機能低下は示されており、研究の期限を考え、心臓カテーテル検査は省略することを考えている。 とりあえず、完全血管転位症術後遠隔期患者の冠状動脈に慢性炎症が残存していることを示すだけでも大きな発見であり、完全血管転位症術後遠隔期患者に冠状動脈事故が起きることの病態解明や治療の筋道をつけれると思われる。 研究の残りの時間を考えながら、冠状動脈PET/CT検査を最優先に行うようにする。 (患者によっては、心臓カテーテル検査を保留する)
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Causes of Carryover |
検査が進んでいない事による
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
患者登録は進んでおり、順次検査を行う。
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