2015 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子発現解析によるマウス胎仔低酸素バイオマーカーの探索
Project/Area Number |
15K19648
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飯田 渓太 東北大学, 大学病院, 助教 (10709653)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 血液サンプル採取 / 遺伝子発現ライブラリ作成 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は正常胎盤・妊娠マウス母獣血液・産褥マウス母獣血液の遺伝子発現ライブラリ作成を目的に以下の実験を行った。C57BL/6Nマウスに妊娠に十分な栄養であることが保証されているAIN-93Gを給餌したN群を作成し,妊娠させた。妊娠19.5日目に正常分娩したマウスを分娩翌日に麻酔下で開胸し,心臓より採血を行った。この血液から血漿を分離し,産褥マウス母獣血液サンプルとした。同様に妊娠17.5日に麻酔下で母獣を開胸し,心臓より採血を行った。この血液から血漿を分離し,妊娠マウス母獣血液サンプルとした。正常胎盤サンプルは別の妊娠17.5日のマウスから麻酔下で採取した。これは採取時の出血の影響で母獣が低酸素状態となる事を避けるためである。 平成29年度に実施予定の段階的急性低酸素負荷条件に慢性低酸素負荷を追加することにし,その条件検討を行った。計画書に記載した急性低酸素では胎盤への血流を完全に遮断した後,5分間だけ血流を開放している。この5分間で母獣血中へ胎仔由来のCell-free DNAが十分に移行しない可能性および,低酸素に対する急性反応と慢性反応を区別して評価できる様に改善するためである。検討はN群で実施した。妊娠15.5日目の母獣を麻酔下で開腹し,両側の子宮動脈に0.5mm径のテグスを併走させた状態で絹糸で結紮する。結紮後,テグスを抜去することで子宮動脈径を0.5mmに制限することができた。この動脈系の制限により子宮動脈血流を約50%抑制することを超音波画像診断によって確認した。閉腹後,正常に覚醒し,48時間の生存に成功し,胎仔成長が約70%に抑制されること,胎盤の酸素分圧が約60%に抑制されることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度に代表者の所属が変わり,共同実験者との打合せ時間が不足したため,予定していたアノテーションを実施することが出来なかった。その分,平成29年度実施予定の低酸素負荷に関する条件検討を先行して実施し,次年度以降に遅れを挽回出来る態勢を整えることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は予定通り,脳出血モデルマウス群(J群)の遺伝子発現ライブラリを作成する。平成27年度に実施出来なかったアノテーションに関してはN群,J群のサンプルを同時に実施し,遅れを挽回する。 平成29年度に実施予定の段階的低酸素負荷に関しては,計画書に記載した急性低酸素負荷だけでなく,平成27年度に実施した慢性低酸素負荷も併せて実施する。これによって,より多くの低酸素バイオマーカーが検出されることが期待できる。
|
Causes of Carryover |
平成27年度に代表者の所属が変わり,共同実験者との打合せ時間が不足したため,予定していたアノテーションを実施することが出来なかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に実施できなかった遺伝子発現ライブラリのアノテーションを行う。 また,平成28年度は予定通り,脳出血モデルマウス群(J群)の遺伝子発現ライブラリを作成する。
|