2016 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現解析によるマウス胎仔低酸素バイオマーカーの探索
Project/Area Number |
15K19648
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飯田 渓太 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (10709653)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | cell-free DNA / 低酸素ストレス / 遺伝子発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、低酸素ストレスによる胎児脳出血の発症機序を解明するため、発症前から発症過程におけるマウス胎仔低酸素バイオマーカーを発見することである。その手段として、正常モデルマウス群(N群)、脳出血モデルマウス群(J群)、および慢性低酸素負荷群(H群)の網羅的遺伝子発現解析と、それによる母体血中の胎仔由来cell-free DNAの同定を行う予定である。 平成27年度は、胎仔由来cell-free DNA採取のため、先行研究に倣い、正常胎盤、妊娠マウス母獣血液、産褥マウス母獣血液を採取した。採取方法、採取時期については研究代表者と協力者間で協議の上、決定した。また、段階的低酸素負荷による胎仔由来cell-free DNAの発現変化(と胎仔の状態)から虚血低酸素のバイオマーカーを発見するための準備として、低酸素に対する急性反応と慢性反応を区別して評価するためのシステムを構築した。他方、システム生物学関連の研究会に参加し情報収集を行うことで、遺伝子発現解析のための理論構築にも取り掛かった。しかし、27年度の前半、研究代表者の人事異動があったため、研究の実務的な着手が遅れた点も報告する。 平成28年度前半は、N、J、H群の遺伝子発現ライブラリ作成のため、胎仔脳および母獣血を採取し、組織由来RNAおよび母獣血中cell-free DNAを抽出する段階まで実施した。しかし、年度の後半、再び研究代表者の人事異動があったため、研究時間の確保が極めて困難となった。そこで、28年度後半は、27年度に作成した遺伝子発現解析のための理論構築をさらに進め、発現量のばらつき、および細胞数を考慮した新規数理モデルを構築した。このモデルにより、従来の回帰分析などの統計学的手法に加え、分散の程度から遺伝子発現ネットワークを推定するアイディアを得ることができた。今後は実験との比較を行いたいと考えている。
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Research Products
(1 results)