2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel therapy for perinatal brain damage using stem cells
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15K19650
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北瀬 悠磨 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80736299)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 低酸素性虚血脳症 / 乳歯歯髄幹細胞 / 幹細胞療法 / 免疫組織学的評価 / 行動評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は低酸素虚血脳症(HIE)モデルラットに対する乳歯歯髄幹細胞(SHED)による幹細胞療法のメカニズムの解明を中心に実験を行った。HIEモデルラットについては日齢7で左頸動脈を結紮し、8%の低酸素環境に1時間暴露した後、その後4時間後に頭部MRIを撮影し重症度分類を行った。受傷後24時間後に右外頸静脈からヒトSHE(S群)、またはリン酸緩衝生理食塩水(V群)を投与した。投与24時間後にサイトカインの測定を行い、免疫組織学的に急性期傷害マーカーの検討について実験を行い、細胞死抑制、抗炎症、神経新生、血管新生に及ぼす影響について生化学的・免疫学的に検討評価した。またSHED培養液を使用した神経細胞死抑制の効果を検討した。 免疫組織学的検討では、皮質におけるIba-1において(マクロファージ、ミクログリアの認識抗体)総陽性細胞数がS群でV群に比べ有意に高い結果となった(皮質;1,718,742±146,693 vs.1,191,510±150,140 cells, p<0.05)。我々は前年度に活性化マクロファージのED-1が海馬、皮質ともに有意にSHED投与群で低下していることを示したが、皮質におけるIba-1はSHED投与群で有意に上昇し、神経細胞保護効果のあるM2マクロファージの誘導が起こった可能性が示唆された。 またサイトカイン測定ではSHED投与群でIL-1a,IL-18,IP-10,MIP-1aがSHED投与群で有意に上昇していることを明らかにし、これらサイトカインが神経保護効果を有していることが報告されていることから、SHED投与が神経保護作用として働いていることが示唆された。 そして低酸素無糖条件下での神経細胞に対してSHED培養液を投与したところcontrolと比較して有意に細胞障害が抑制される結果となった。
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