2015 Fiscal Year Research-status Report
早産児晩期循環不全発症児におけるNO代謝産物の検討
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15K19653
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鷲尾 洋介 岡山大学, 大学病院, 助教 (20569066)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 晩期循環不全 / 早産児 / NO代謝産物 |
Outline of Annual Research Achievements |
晩期循環不全(late onset circulatory collapse以下LCC)は、急性期を離脱した早産児が感染や動脈管開存等の背景なく突然の血圧低下、乏尿をきたしショックとなる疾患です。本疾患は28週未満の超早産児で多く報告されており、経験的にはステロイド投与で改善することが知られています。重篤な合併症として脳室周囲白質軟化症が報告されています。本疾患の背景には相対的な副腎不全があるとの報告がなされています。循環動態の解析では全身の血管拡張に伴う血圧の低下が起こっており、臓器血流の不均衡が起こることが明らかになっています。一酸化窒素(Nitric oxide:NO)は血管拡張作用を有します。NOは生成後、循環系に入ると速やかに酸化されてNO代謝産物(NOx)となります。NOxを測定することにより全身で内因性に産生されたNOを評することが可能です。内因性のNOがステロイドと拮抗している事を示す報告が複数なされており、早産児晩期循環不全の背景には相対的な副腎不全があること、晩期循環不全の病態に血管拡張が影響していることから我々は晩期循環不全の発症時に内因性のNO産生が増加している可能性が高いと考えました。以上から本研究を企画し、平成27年度は倫理委員会の承認を得た後に症例の蓄積を行いました。登録された症例から2週間毎の採血を行い、検体を保存しています。また、晩期循環不全発症時には治療介入前の採血を行い検体を保存しています。NOxの測定を検体の蓄積を待ってから行う予定としています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倫理委員会の承認を得て現在、症例登録を始めていますが、2例の登録がありました。まだ最初の一例が退院していない状況です。これは超早産児は入院してから退院するまで4~5ヵ月かかることに起因しています。今後、データの蓄積が得られる予定です。予定していたよりも患者登録数が少なくなっています。原因は大きく二つ考えられています。当院の昨年度の超早産児の入院数が少なかったことが一つめの理由です。また、超早産児は出生時の状態が特に悪い患児が多いためご両親からの研究同意が取得できない場合が少なからずあるということが二つめの理由となります。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き症例の登録を継続していく予定です。登録患者数が少ない状況に対しては2つの総合周産期施設に協力をお願いしつつ患者登録を増やしていく予定です。協力施設での倫理委員会は一つの施設では承認されており、もう一つの施設では現在行なっております。今後の症例の蓄積を待ってデータを解析する予定です。
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Causes of Carryover |
今年度中の登録症例数が少なく、結果、NO代謝産物の検査を行わなかった事に起因しています。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
登録症例数が増加する次年度にNO代謝産物の検査を行う予定となっております。
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