2017 Fiscal Year Research-status Report
拡散テンソル画像を用いた極低出生体重児の治療評価と神経学的予後の検討
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15K19661
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
長谷川 龍志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80438217)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 早産児 / 低出生体重児 / 拡散テンソル画像 / トラクトグラフィー / 小脳 / 脳性麻痺 |
Outline of Annual Research Achievements |
当院NICUに入院した早産児において、NICU退院前(受胎後37-41週)に撮像した頭部MRI・拡散テンソル画像(diffusion tensor imaging; DTI)とNICU退院後の神経学的予後との関連を検討している。 早産児のうち痙性両麻痺もしくは四肢麻痺を発症した児では、NICU退院前という発症前の頭部DTIで、感覚路・上小脳脚の拡散異方性(fractional anisotropy; FA)が低下していることが示された。また、中小脳脚のFAが低下している早産児ほど脳性麻痺の重症度が上がる、というデータが得られた。その結果を論文化し、Brain and Developmentに2018年4月27日にアクセプトされた(現在印刷中)。 また、以前に早産児において軽症脳室内出血が上小脳脚への影響についてDTIを用いて証明したが、軽症脳室内出血、上小脳脚への影響、将来的な神経学的予後との関係性について、症例数を増やしつつ現在解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果について、現在論文を投稿中である。 投稿中の結果以外の研究内容については、3歳の発達検査施行が約5例と想定よりも下回っているが、症例数の上積みすることはできる。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数の蓄積については、対象症例に対して発達検査を漏れなく行うことで対応していく。 それ以外については、以下のように現行の計画通りに進めていく。 1) 対象データの収集: 京都府立医科大学附属病院NICUに入院し、退院前(受胎後37-41週)のルーチンに撮影されている頭部MRI検査に同意していただき、更に当大学倫理委員会の承認を得た同意書に署名を頂いた患者を対象とする。 2) 拡散パラメーターの解析: DTI、トラクトグラフィーを用いて、中枢神経白質の解析をデータが得られたものから順次進めていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、論文の作成・英文校正および雑誌への掲載にかかる費用として充てる予定であったものが平成29年度に使用できず、平成30年度へ繰り越された。
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