2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms underlying amniotic epithelium homeostasis
Project/Area Number |
15K19664
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
浅井 哲 東海大学, 医学部, 客員講師 (70383867)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 羊膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト羊膜上皮の恒常性は様々な側面から維持されているものと考えられる。そこで胎児をとりまく羊水量の恒常性の維持に関与すると推定されるアクアポリン(aquaporin, AQP)ファミリーの発現について検討した。羊膜ではアクアポリンのうちAQP1 ,3 ,8 ,9, 11が発現することが知られているが、我々の単離羊膜上皮細胞を用いた解析では、mRNAレベルとしてはAQP3 が最も高発現しており、次いでAQP1が発現していた。しかしAQP8,11の発現レベルは低く、AQP 9は発現していなかった。また羊水中に多く存在する成長分化因子midkineの羊膜上皮細胞におけるAQP発現に対する影響をin vitroで検討したが、有意な変化は認められなかった。単離羊膜上皮細胞の網羅的RNA発現解析(RNA-seq)においては、サイトカインや成長因子など液性因子の中ではインスリン様成長因子2 (IGF2)が最も高いmRNAレベルを呈していた。特異的受容体であるIGFR1やIGF2Rは低いレベルで発現していたが、IGF1の発現は認められなかった。羊膜上皮細胞の増殖因子としてはEGFが知られ、in vitro実験でも多く用いられているが、単離羊膜上皮細胞においてEGF受容体は強く発現しているものの、EGFはほとんど発現していなかった。羊膜間質細胞でも同様の結果であった。また主要な増殖因子であるFGFファミリーについても、FGF11が低いレベルで発現している以外は、単離羊膜上皮細胞での発現は捉えられなかった。上記の結果は、羊膜上皮細胞の増殖がautocrineやjuxtacrineではコントロールされていないことを示唆する一つの所見と考えられた。
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