2015 Fiscal Year Research-status Report
自己抗原の枯渇を標的とした水疱性類天疱瘡の新規治療法開発
Project/Area Number |
15K19668
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
夏賀 健 北海道大学, 大学病院, 助教 (70645457)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞外マトリクス |
Outline of Annual Research Achievements |
水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid; BP)は、高齢者に好発して全身に水疱やびらんを呈する自己免疫性表皮下水疱症である。BP患者の血中自己抗体は、表皮基底膜タンパクである17型コラーゲン(COL17)を認識する。培養表皮細胞にBP患者血清あるいは、COL17内のNC16A領域に位置するエピトープに対する抗COL17抗体を投与すると、COL17の量が減少することが知られている(Iwata H et al., J Invest Dermatol 2009; Natsuga K et al., J Immunol 2012)。BP患者自己抗体投与によるCOL17の減少のメカニズムを明らかにするために、網羅的に培養細胞の遺伝子発現を解析することを計画した。本年度は、BP患者由来IgGと正常人由来IgGをそれぞれ培養表皮細胞に投与し、培養細胞中の転写産物をマイクロアレイを用いて解析した。マイクロアレイによる解析の結果、複数のケモカインやプロテアーゼ、細胞内輸送タンパクの遺伝子発現が、BP患者由来IgG投与群で上昇していることがわかった。このうち数十種類の遺伝子について、定量PCR法でマイクロアレイのデータが再現されるか、解析を行っている。また、類縁疾患である天疱瘡では、自己抗体の培養表皮細胞への投与によってp38-MAPK径路の活性化が引き起こされることが知られており、BP患者自己抗体でもこの現象がみられるか解析した。結果として、BP患者自己抗体の培養表皮細胞への投与は、p38-MAPK径路の活性化に寄与しなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既にBP患者自己抗体を培養表皮細胞へ投与した後に、培養細胞内で起きる遺伝子発現の変化をマイクロアレイでスクリーニング済みであり、結果も解析したうえでvalidationのための定量PCRを施行していることから、当初の計画通りに進展していると考える。このほか、p38-MAPK径路の関与によるCOL17の枯渇は否定できた点も評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロアレイで得られた結果について、定量PCRによるvaildationを継続する。得られた候補遺伝子について、RNAiや化合物を用いて機能を抑制することで、BP患者自己抗体を培養表皮細胞へ投与した際に、COL17の枯渇を抑えることができるかを検証する。培養表皮細胞の実験系で、COL17の枯渇を抑えることのできる化合物やRNAiが発見できれば、COL17ヒト化マウス(Nishie et al., Nat Med 2007)へBP患者自己抗体とともに投与して、水疱形成が抑制されるかを評価する。
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Research Products
(24 results)
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[Presentation] A single laminin subunit deficiency alters other laminin expression depending on the mutated genes2015
Author(s)
Natsuga K, Nishie W, Shinkuma S, Nakamura H, Watanabe M, Kambe N, Hatamochi A, Kimura U, Suga Y, Shimizu H
Organizer
40th Annual Meeting of the Japanese Society for Investigative Dermatology
Place of Presentation
Okayama, Japan
Year and Date
2015-12-11 – 2015-12-12
Int'l Joint Research