2016 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of RIP1 using 3D cultured epidermal model - Is 'keratosis' a necroptosis? -
Project/Area Number |
15K19669
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
齋藤 奈央 旭川医科大学, 医学部, 研究生 (90736670)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | RIP1 / 尋常性乾癬 |
Outline of Annual Research Achievements |
Receptor-interacting serine/threonine-protein kinase 1 (以下RIP1)は、TNF-α、TRAIL、TLRs刺激下でアダプタープロテインとして恒常性維持に深く関与しているが、ヒト表皮細胞における機能は解明されていない。本研究はヒト表皮細胞において外的刺激時にRIP1欠損が引き起こす免疫反応の機序を明らかにし、病態形成におけるRIP1の機能を解明することを目的としている。 1.尋常性乾癬病変部ではRIP1 の発現が低下している RIP1の免疫染色を施行したところ、正常皮膚では表皮全層にRIP1の発現を認めたが、尋常性乾癬ではRIP1の発現が有意に低下していた。更に、尋常性乾癬病変部と非病変部のwestern blottingでは、健常コントロールに比較してRIP1の発現が有意に低下していた。 2.尋常性乾癬における表皮RIP1の発現低下はTRAIL刺激への感受性を増強する RIP1の発現をノックダウンしたNHKにTRAIL刺激を加えると、コントロールに比較してIL-1β, IL-6, IL-8, IL-20, IL-33, TNF-αの発現が上昇していた 。これらサイトカインは、尋常性乾癬の病態形成において重要な因子であり、表皮におけるRIP1の発現低下とTRAIL刺激が病態の増悪に関与していることが示唆された。 3.TRAIL中和抗体はイミキモド誘発マウス乾癬様皮膚炎を阻害する TRAIL中和抗体を用いた治療実験を行った。イミキモド誘発マウス乾癬モデルにTRAIL中和抗体およびコントロールIgGを投与すると、紅斑、浸潤、鱗屑が著明に軽快し、更に、マウスの耳の肥厚も改善していた。これらの症状改善は、TRAIL中和抗体によるTNF-α発現低下が寄与していると考えられた。
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