2016 Fiscal Year Annual Research Report
Genetic expression analysis of circulating tumor cells in patients with melanoma
Project/Area Number |
15K19683
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
御子柴 育朋 信州大学, 医学部附属病院, 医員 (60747153)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メラノーマ / 循環腫瘍細胞 / BRAF変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
【本年度の研究計画】 メラノーマ患者の循環腫瘍細胞(以下,CTC)を分離し,メラノーマに多くみられるBRAF遺伝子変異を解析する.治療の前後での変化を調べる. 【研究実施状況】 ①CTCの分離: 間欠的露光部に発生した進行期メラノーマ患者1名から採取した血液をBDバキュテイナ採血管を用いて単核球を分離した.1回につき4mL,治療経過中の2回のタイムポイントについて解析した.メラノーマが発現するタンパク質に対する抗体で標識された細胞をCTCとして合計38個の細胞を単離した. ②CTCの遺伝子解析: 単離したCTCから個々にDNAを抽出した.DNAを用いて,BRAF V600領域を含むプライマーでサイクルシーケンスを施行した. 38個中 BRAF V600Kを2個検出した.内訳は,分子標的阻害薬治療前2個,治療後0個であった. ③CTCのmRNA解析: 10個の細胞から抽出したRNAはRT反応によりcDNAを合成して,mRNA発現に用いた.Digital droplet PCR法(以下,ddPCR)を用いて,mRNAの発現を調べた.10個のCTCのtotal RNAからcDNAを合成し,GAPDHとtyrosinaseのddPCRを行った.GAPDHは10個中2個のみがシグナルが得られたが,他の8個は検出感度以下であった.RNAの質的な問題やcDNA合成過程の問題と考えられた.よって,mRNAについては評価不能であった. 【達成できたことと今後の課題】 患者血液中に存在するCTCを単一細胞レベルで遺伝子解析することができた.本研究により,腫瘍循環細胞の単離と解析が,治療のモニタリングに役立つ可能性を示した.いっぽうRNA発現解析には,技術的な課題があることが分かった.CTC単離からRNA抽出までの過程で,迅速性が必要であることが示唆された.
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