2016 Fiscal Year Research-status Report
尋常性乾癬における角層バリア機能異常の解明とその制御
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15K19686
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
藤澤 智美 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (20585583)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乾癬 / セラミド / 角層脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
乾癬の病態に大きく関与する因子としてadipokineがあるが、その中でadiponectinは乾癬患者血清で有意に低下し、TNF-α阻害薬投与後に正常化した。そこで、adiponectinあるいはTNF-αを種々の濃度(adiponectin: 50, 500, 2,500 ng/ml、 TNF-α:10, 50, 100 ng/ml)で表皮細胞の培養液中に添加した。一定時間後、細胞を回収し、表皮バリアに重要な役割をもつセラミドをmatrix-assisted laser desorption/ ionization time-of-flight mass spectrometry (MALDI-TOF-MS)を用いて解析した。さらに、長鎖脂肪酸のセラミド合成に重要な二つの酵素、elongase of long-chain fatty acid (ELOVL)とceramide synthase (CerS) に着目し、それらのアイソザイムであるELOVL 1-7, CerS 1-6やバリア機能に関与するcytochrome P450, family 4, subfamily F, polypeptide 22 (CYP4F22)の発現量の変化について、これらのmRNA発現量を検討した。その結果、adiponectin存在下の表皮細胞では総セラミドが増加した。PCRでは、ELOVL 1-7の中でELOVL1とELOVL5が, CerS1-6ではCerS2、CerS6とCerS 5が優位に分布した。adiponection添加によりELOVL1とELOVL4が増加しCerS3が増加した。この結果はadiponectinが角層バリア機能の維持に関与する可能性を示唆するものである。現在さらに他のadipokineについても検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は全体としておおむね順調に計画通り進行している。現在、培養表皮細胞系を用いて乾癬の発症、誘因に関与するadipokineおよびTNF-αを用いたセラミド解析を行っており、一定の結果が出ている。さらに他のadipokineについても検討中である。また、乾癬モデルマウスの作成準備中であり、準備が整い次第、マウス実験を主体としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、培養表皮細胞系を用いて乾癬の発症、誘因となる因子を用いたセラミド解析を行っている。他のadipokineについて同様の実験を行うとともに、乾癬モデルマウスの作成準備中であり、作成後はセラミド解析、角化マーカー、サイトカイン・プロファイルを検討予定である。
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Research Products
(4 results)