2015 Fiscal Year Research-status Report
悪性黒色腫の免疫治療における骨髄由来抑制細胞の動態・機能解析とその制御
Project/Area Number |
15K19691
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤原 進 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40645389)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 / MDSC / 抗CD4抗体 / 抗Gr-1抗体 / 5-FU |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究の主目的は、マウス悪性黒色腫に対する腫瘍内CD4陽性細胞除去による免疫療法モデルにおいて増殖することが確認されているMDSCに、種々のアプローチによって制御を加え、MDSCに対する効果と抗腫瘍効果を比較、検討することである。MDSCを減少・除去する方法として5FUやgemcitabineなどの抗がん剤を用いる手法、抗Gr-1抗体を用いる手法などがあり、MDSCの免疫抑制機能を廃絶する方法としてsildenafilなどのphosphodiesterase type5阻害薬やnitroaspirinなどが報告されている。これらのうち、どの手法がCD4陽性細胞除去による腫瘍免疫療法時に増加するMDSCを効率的に減少あるいは機能阻害させえるかを検討し、抗腫瘍効果増強に寄与するかを評価する。 今年度はMDSCを除去するために5-FUを用いる手法および、抗Gr-1を用いてMDSCを減少・除去する手法を検討した。C57BL/6マウスにB16F10マウス悪性黒色腫細胞を1×105個背部皮内に接種する。腫瘍塊として認められるday7に抗CD4抗体の腫瘍内投与を行う。同日および以降5日毎に抗Gr-1抗体を腹腔内に投与し、週に1~2回の腫瘍径計測を行った。結果、抗CD4抗体に抗Gr-1抗体を加えることによる明らかな抗腫瘍効果の増強は認められなかった。次に、5-FUによるMDSCの抑制を試みた。先ほどと同様にday7に抗CD4抗体の腫瘍内投与を行い、同日5-FUの投与を行った。day14に腫瘍を計測したところ、無治療と比較して抗CD4抗体および5-FUで治療した群は腫瘍の増大は抑えられていたが、抗CD4抗体のみの治療群とは明らかな差は認められなかった。同日腫瘍を採取し浸潤するMDSC数をフローサイトメトリーを用いて計測したが、MDSC数の減少は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初当研究のエフォートは35%と計画していたが、臨床業務など当初予期していなかった業務が発生しエフォート率が低下する事態となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度は研究が遅れ進捗が乏しかったが、今年度は予定通りの計画で研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
前述したエフォート率の低下により計画した実験がすべて行えなかった。 そのため計画した予算より使用額が少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度行うことが出来なかった研究を今年度に再計画し、使用する。
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