2016 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamics and function analysis of bone marrow-derived suppresser cells in immunotherapy of malignant melanoma and its control
Project/Area Number |
15K19691
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤原 進 神戸大学, 医学研究科, 助教 (40645389)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 / MDSC / CCL2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、悪性黒色腫に対する免疫療法を行った際に誘導される免疫抑制性細胞の特性を明らかにし、これら抑制性細胞をどのようなアプローチで制御すれば、より効果的な抗腫瘍免疫反応が誘導可能かを明らかにすることである。免疫抑制性細胞の特性について、マウスを用いた悪性黒色腫の免疫治療モデル用いて解析を行った。我々はC57BL/6マウスにB16F10悪性黒色腫細胞を接種し腫瘍塊を形成させたのち、腫瘍内CD4陽性細胞の一過性除去とOX40 agonist投与を組み合わせると、相乗的な抗腫瘍免疫反応を誘導しうることを示しているが、その際には腫瘍周囲に多数のCD8陽性細胞障害性T細胞およびナチュラルキラー細胞が浸潤するが、その一方MDSCが腫瘍内に多数増加する現象を確認した。このMDSCを抑制することでより強い抗腫瘍効果が期待できる。MDSCの腫瘍周囲環境への走化をきたす因子をreal time PCRで検討した結果、抗CD4抗体を用いた場合腫瘍においてCCL2が約20倍に上昇していることを突き止めた。実際CCL2のレセプターであるCCR2がMDSCに発現しているかどうかをフローサイトメトリーで確認したところ、対照群のGr-1highのMDSCでは40%程度の発現であるのに対して、CD4除去マウスでは80%を超える高頻度に発現していることが認められた。この結果から、CCL2を抑制することでMDSCの走化を防ぎ、より強い腫瘍効果が表れることが期待された。従来の手法と同じく、C57BL/6マウスにB16F10悪性黒色腫細胞を接種し腫瘍塊を形成させたのち抗CD4抗体のみを投与した群、抗CD4抗体と抗CCL2抗体を投与した群で腫瘍の縮小に差が出るかどうかを確認した。結果、抗CCL2抗体を併用することでやや腫瘍の増加が抑制される傾向が認められたものの、有意差を認めるまでには至らなかった。
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Research Products
(3 results)