2016 Fiscal Year Annual Research Report
Immunotherapy against Metastatic Melanoma with Human iPS Cell-Derived Myeloid Cell Lines Producing Type I Interferons
Project/Area Number |
15K19694
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮下 梓 熊本大学, 医学部附属病院, 病院教員 (20467989)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 進行期悪性黒色腫 / 新規免疫細胞療法 / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の平成27年度、28年度全体を通して、研究実施計画書に沿った実験を進めることができた。ヒトiPS細胞由来のミエロイド系細胞に、細胞増殖促進因子のcMYCと細胞老化抑制因子のBMI1、MDM2を導入しin vitroで2-3ヶ月間増殖可能なミエロイド系細胞ライン(iPS-ML)を樹立し、さらに、iPS-MLに遺伝子改変により機能性を持たせるため、I型インターフェロン(IFN-α、IFN-β)を遺伝子導入し抗腫瘍効果を持たせた細胞(iPS-ML-IFNα、iPS-ML-IFNβ)を作製した。これらの細胞からマクロファージ様細胞を分化誘導し、その細胞を用いて抗腫瘍効果を、ヒトメラノーマ細胞を用いてin vitro、さらには免疫不全マウスを用いたxeno-graft mldelでin vivoでの評価を行った。免疫不全マウスにヒトメラノーマ細胞株を腹腔内移植し、iPS-ML-IFNα、iPS-ML-IFNβ投与により治療を行ったところ、未治療群と比較し治療群では有意な腫瘍増殖抑制効果が得られた。さらに、治療後の腫瘍組織の免疫組織学的解析により、腫瘍組織へのiPS-ML-IFNsの浸潤を確認することができた。インターフェロンの副作用やiPS-MLの腫瘍化によって死亡したマウスは認めなかった。これらの結果により、腹腔内投与したiPS-ML-IFNsは、腫瘍局所に集積し、腫瘍局所で高い抗腫瘍効果を発揮できることが示唆された。本研究で得られた結果は論文として発表した。当初の計画よりやや早く研究の進展がみられたため、さらに研究を発展させ、iPS-ML-IFNsの腫瘍抑制作用のメカニズムを解明すべく、細胞障害性T細胞(CTL)アッセイを予定している段階である。 本研究により、新たな免疫細胞療法としてiPS-ML療法が有効な進行期メラノーマの治療オプションとなり得ることが示唆された。
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Research Products
(2 results)