2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K19696
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
伊藤 亜希子 大分大学, 医学部, 客員研究員 (70457620)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 神経伸長 / 角層pH / 神経成長因子 / セマフォリン3A |
Outline of Annual Research Achievements |
角層pHを上昇させるTMGをマウスに2日間1日2回塗布する間に継時的に角層pHを測定したところ、この塗布条件で角層pHの弱酸性状態が障害されることを確認した。次いで、TMGによる角層pH上昇刺激後に皮膚を採取し抗PGP9.5抗体を用いて免疫組織染色にて解析したところ、明確な炎症反応の惹起が観察されない一方、神経線維の表皮内伸長反応が亢進していた。神経伸長因子(NGF)と神経反発因子(セマフォリン3A)の免疫組織染色では、角層pH上昇反応後に両者とも亢進していた。この結果は、角層pH上昇刺激が表皮内伸長を促進する因子であることを示唆している。一方、その機序についてやその表皮内伸長促進が、かゆみの生じ易さと関連するかが不明のままである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
表皮内神経伸長解析のための実験系を確立することに成功し、その実験モデルを用いて角層pH上昇刺激が表皮内神経伸長反応を促進することが確認できた。さらに、神経伸長を制御する分子の変動も確認でき、角層pH上昇による表皮内神経伸長メカニズムの解明に向けての端緒を得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
角層pH上昇刺激による神経の表皮内伸長促進作用に機序を更に解明するために、他の神経成長関連因子の発現やセリンプロテアーゼ阻害剤による効果などを検討する。それに先立ち、TMG単回塗布での効果についても観察を行っておく。更にかゆみの生じ易さとの関連では、プロテアーゼ刺激などかゆみを誘発する刺激を加えて検討する。
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