2015 Fiscal Year Research-status Report
抗ラミニン332抗体が生ずる皮膚基底膜脆弱性の機序解明
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15K19706
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
古賀 浩嗣 久留米大学, 医学部, 助教 (40461412)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ラミニン332 / 粘膜類天疱瘡 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗ラミニン332型粘膜類天疱瘡(MMP)患者の生体試料の渉猟に関して、当科に診断目的で送付された血清サンプルおよび当科外来受診患者の血清の内、免疫ブロット法にて抗ラミニン332抗体が陽性であった症例92症例(男女比1:1.2、平均年齢68.9歳(28-94歳))について検討を行った。 抗ラミニン332抗体が陽性になる粘膜類天疱瘡では悪性腫瘍の合併が多いという報告もあり(Egan CA, Lancet, 2001)、まず悪性腫瘍の合併率について検討を行った。詳細が確認できた39例中、悪性腫瘍の合併は12例であった(31%)。その内訳は、肺癌3例、卵巣癌2例、子宮癌2例、前立腺癌2例、乳癌1例、肝細胞癌1例、急性リンパ球性白血病1例であった。その他の合併症に関しては高血圧症が9例、関節リウマチ8例、糖尿病6例、前立腺肥大症が2例であった。MMPは発症年齢が高く、その為、合併症に関してもバイアスがあると考えるが、その中でも関節リウマチの合併症例が多かったことは注目に値する。 次にラミニン332のサブユニット(ラミニン332はα3、β3、γ2鎖より成る)別の抗体陽性率について検討を行った。抗ラミニンα3抗体陽性は41例(45%)、β3抗体陽性は22例(24%)、γ2抗体陽性が54例(59%)であった。サブユニット別に単独陽性症例数についてみると、α3抗体単独陽性が24例(26%)、β3抗体単独陽性が11例(12%)、γ2抗体単独陽性が38例(41%)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
最初の実験に必要なヒト皮膚は過去の報告に倣い、包皮を使用するが、当初予定していた試料提供先からの供給が出来なくなり、新たな提供先を探す必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在新たな皮膚提供先も見つかり、研究に関する当大学の倫理委員会の承認を待っている段階にある。皮膚サンプルが手に入り次第、実験を開始する。その結果に基づき、予定されているその他の実験を進める予定である。
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Causes of Carryover |
27年度に予定していた実験が終了しておらず、それに必要とされた器具、試薬の購入が全ては行われなかった為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度に予定されていた未施行の実験や28年度に予定されていた実験に必要な器具、試薬の購入に使用する。
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