2015 Fiscal Year Research-status Report
イン・シリコ・サロゲートエンドポイントによる術後陽子線治療の晩期有害事象の評価
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15K19760
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木下 留美子 北海道大学, 大学病院, 助教 (70507582)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 陽子線治療 / 術後照射 / 婦人科腫瘍 / NTCPモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
術後照射について婦人科癌、乳癌を対象に研究を行った。 婦人科癌の術後陽子線治療について以下の研究を行った。13例の婦人科癌の術後症例について全骨盤照射をX線によるIMRT及びSpot scanning proton therapy (SSPT)による治療計画を立てPTV及びリスク臓器のDose Volume Histogram(DVH)の比較及びGrade3以上の血液毒性のNTCP値を算出し比較検討を行った。骨髄のV20Gy、V10GyはSSPTでは42.68%、55.14%でIMRTでは64.86%、88.47%でSSPTで有意に低減されていた。大腿骨頭のV30GyはSSPTでは2.09%、IMRTでは7.28%とSSPTで有意に低減されていた。一方PTVに対する照射線量は同等であった。Grade3以上の血液毒性のNTCP値はSSPTでは0.04、IMRTでは0.19でSSPTはIMRTと比較し有意に低減されていた。しかし腸管の照射線量については有意差を認めなかった。この結果を2015年10月に米国で行われたthe 57th Annual Meeting of the American Society of Radiation Oncology (ASTRO)にて示説発表した。 乳癌の術後照射については以下の研究を行った。 2014年に乳癌に対して術後照射を行った症例44例について、患側肺、両側肺、心臓の線量体積評価を行った。患側肺のV40Gy,V30Gy,V20Gy,V10Gy,V5Gyはそれぞれ4.7%,6.8%,8.6%,12.3%, 18.5%であった。両側肺のV20Gyは4.41%、心臓のV20Gy(左側)は1.43%であった。本研究の結果は第75回日本医学放射線学会総会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
婦人科腫瘍に対する術後照射においてスポットスキャニング法による陽子線治療とX線による線量分布比較を行い、骨髄や腸管線量の比較、NTCPモデルを用いた骨髄毒性の評価ができた。晩期有害事象に対する評価は平成28年度以降検討予定である。 乳癌術後照射については、当院で2014年に治療を行った症例についてX線による治療計画における肺、心臓の線量評価を行った。 婦人科腫瘍に対する術後照射及び乳癌に対する術後照射それぞれの検討が行われているためおおむね順調と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
婦人科腫瘍に対する術後照射については引き続きSSPT法による研究を続ける。具体的には腸管の照射線量低減に適したSSPTの照射方法を検討し、腸管毒性の評価を行う。 乳癌の術後照射については陽子線治療による照射方法を検討する。
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Causes of Carryover |
平成27年度に購入を予定していたソフト購入を行わなかったため、また陽子線治療装置を用いた研究を平成27年度中は行わなかったため、使用料金が発生しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
線量分布解析野ためのソフトの解析、研究成果の発表のための旅費や論文執筆のためのソフトや校正に使用する。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Estimation of the risk of side effect for whole pelvic irradiation using spot scanning proton therapy with single field optimization2016
Author(s)
Takaaki Yoshimura, Rumiko Kinoshita, Shunsuke Onodera , Chie Toramatsu, Ryusuke Suzuki, Seishin Takao, Taeko Matsuura, Yuka Matsuzaki , Shinichi Shimizu, Kikuo Umegaki, Hiroki Shirato
Organizer
The 3rd GI-CoRE Medical Science and Engineering Symposium
Place of Presentation
Hokkaido University (Sapporo,Hokkaido)
Year and Date
2016-03-03
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[Presentation] NTCP Modeling Analysis of Acute Hematologic Toxicity in Whole Pelvic Radiation Therapy for Gynecologic Malignancies - A Dosimetric Comparison of IMRT and Spot-Scanning Proton Therapy2015
Author(s)
T. Yoshimura, R. Kinoshita, S. Onodera, Toramatsu , R. Suzuki , Y. M. Ito , S. Takao , T. Matsuura, Y. Matsuzaki ,S. Shimizu, K. Umegaki, H. Shirato
Organizer
the 57th Annual Meeting of the American Society of Radiation Oncology (ASTRO)
Place of Presentation
Henry B.Gonzalez Convention Center (San Antonio, USA)
Year and Date
2015-10-18 – 2015-10-21
Int'l Joint Research