2016 Fiscal Year Research-status Report
MRIを用いた頭頸部腫瘍の治療感受性マップおよび高精度予後予測診断法の開発
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15K19761
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
藤間 憲幸 北海道大学, 大学病院, 助教 (80431360)
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2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | MRI / 癌 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、初年度に開発した頭頸部腫瘍に対する簡易的な腫瘍細胞増殖能マップをより複雑なモデルに当てはめることによって、精度の高いマップへと改変させた。これは、拡散強調像の元データをより高度なフィッティングモデル（今回はtri-exponential fitting modelを用いた）に適合させた。そこから得られたパラメータ（種々の拡散係数および拡散係数ごとのフラクションデータ）に重回帰分析を用いて腫瘍増殖能の値を回帰させるモデルを開発した。この得られた重回帰式モデルによってさらに腫瘍増殖能をより強く反映させた高精度なマップを作成することが可能となった。
腫瘍血流マップに関しては、初年度でおおむねほぼ腫瘍血流を反映させたものを作成することが出来ていたが、今年度の検討にて、MRIの撮像パラメータ（ラベル後待ち時間、ラベル時間、背景信号抑制パルス）を腫瘍血流をより詳細に画像化する方向に適正化を行うことによって、高精度な腫瘍血流のマップを得ることが出来た。
腫瘍の低酸素成分の検出に関しては、Quantitative susceptibility mapping（QSM）を用いて画像化することを目標としていたが、低酸素成分の検出源となるデオキシヘモグロビン以外にも局所の磁化率を変動させる物質が多数存在しており、それらがノイズとして純粋な低酸素領域の検出に悪影響を与えるため、それらをいかに制御して画像化するかが今後の課題となった。
臨床応用としては、前二者のマップを用いて、化学放射線療法に対する予後予測判定因子のとしての有用性の検討を今後進めていく予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、初年度からそれぞれ開発を継続していたマップの精度をほぼ臨床応用可能なレベルまで高めることが可能であった。次年度からは実際の臨床応用も施行していく予定であり、おおむね研究計画書に記載していた内容通りに進行していると考えられる。
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| Strategy for Future Research Activity |
頭頸部扁平上皮癌における、腫瘍増殖能を反映したマップ、腫瘍血流を反映したマップのそれぞれを用いて、化学放射線治療における予後予測因子としての有用性を決定する。短期的な治療予後、長期的な治療予後のそれぞれに対して、検討を進めていく予定である。
また、低酸素領域の画像化に関しては、撮像パラメータの最適化、あるいは他画像との融合なども含め、目標達成のため、多角的に検討を進める予定である。
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| Causes of Carryover |
該当年度に国際学会の参加と発表の予定があったが、日程があわずに次年度へ繰越にしたことによる理由がひとつである。また、複数の論文を執筆中であったが、内容や構成に再考の余地があり、データの解析修正を行ったため、その論文に使うはずの英文校正等が先延ばしになってしまったことも理由のひとつである。さらに、すでに掲載が決定している論文があるが、論文掲載料の執行がクレジットカードの決済終了後になってしまうため、支払が先延ばしになってしまったことも理由のひとつである。また、解析ツールのアップグレード、補助ツールの購入予定があったが、解析データの性状から一部の購入を解析手法の方向性がもう少し具体的に決定した後で購入することとなったことも理由のひとつである。これらの理由によって該当年度に執行する予定であった費用が次年度に繰り越しになってしまったという背景があった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
参加予定の国際学会の参加費、複数の執筆中の論文の英文校正、論文掲載が確定後の論文掲載料金への使用が計画されている。また、解析ツール（Matlab）のアップグレード、機能拡張に関する補助ツールの購入を行う予定である。これらの使用によりおおむね費用全体を使用する予定である。
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