2015 Fiscal Year Research-status Report
MR enterocolonographyによるクローン病活動性評価法の最適化
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15K19778
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
北詰 良雄 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (00625478)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 磁気共鳴画像 / クローン病 / 活動性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小腸および大腸の磁気共鳴画像(MR enterocolonography, MREC)を用いた、クローン病の活動性評価法を開発することである。 クローン病の腸管病変の活動性を反映するMRの画像所見は様々なものが報告されている。活動性の重症度を点数化する方法がこれまで多数の研究者により提案されてきたが、従来方法としてvalidation studyが行われ、信頼性が高いとされているMagnetic Resonance Index of Activity (MaRIA)は、MRの信号値の測定が多く煩雑なものであり、日常診療での利用が困難であった。 私たちの研究では、様々な画像所見を集約し、視覚による4段階評価を基本とするスコア (MREC score)を考案した。2014年4月から当施設でMRECおよび内視鏡検査が行われた70例の患者に対して、MREC scoreとMaRIAを算出・比較し、MREC scoreはMaRIAに劣らないことを明らかにした。更に、小腸内視鏡との対比により、偏側性変形および腸間膜リンパ節の腫大が、MaRIA陰性例でも潰瘍病変を示唆する所見であることを示した。 更に、消化性潰瘍の内視鏡分類として従来から用いられている活動期、治癒期、瘢痕期をクローン病の腸管病変に初めて適用し、MRスコアが反映するかについても検討を行った。MaRIAおよびMREC scoreどちらも、治癒期の潰瘍病変は活動期に比べてより活動性の低いスコアを示すことが明らかとなり、臨床応用の有用性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
私たちが考案したMREC scoreと、従来法のMaRIAとの比較に関する研究を2015年の日本磁気共鳴学会大会で口演を行い、現在国際誌に投稿中である。 治癒期の潰瘍病変のMRECに関する研究は、2016年ヨーロッパ放射線学会でポスター発表および2016年日本画像医学会、2016年日本医学放射線学会総会で発表を行い、現在投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
複数の独立した読影医により、別の患者を対象にMREC scoreを用いて評価し、validation studyを行う予定。
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Causes of Carryover |
本年度は物品費を使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に物品費を使用予定。
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