2017 Fiscal Year Research-status Report
MR enterocolonographyによるクローン病活動性評価法の最適化
Project/Area Number |
15K19778
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
北詰 良雄 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (00625478)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 磁気共鳴画像 / クローン病 / 活動性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小腸および大腸の磁気共鳴画像(MR enterocolonography, MREC)を用いた、簡便なクローン病活動性のMREC評価 法を開発することである。 クローン病のMRスコアは、今まで様々は方法が報告されてきた。その中でも内視鏡スコアを基準に作成されたMagnetic Resonance I ndex of Activity(MaRIA)は、検証試験も行われた信頼性の高い方法として知られているが、このスコアの算出には、MR信号値の繰り返す計測が必要であり、日常診療の利用が困難であった。また、このスコアは大腸内視鏡から作成されたものであり、小腸内視鏡所見との対比は行われていない。 私たちの研究では、本年度はクローン病の活動性評価法として、視覚的に5段階に分類する「5-point MREC classification」を作成した。MaRIAに対して非劣性であることを確認し、学会報告をおこなった(2017年ヨーロッパ放射線学会)。 また、「5-point MREC classification」とは別に、決定木解析を用いた更に簡便な分類方法を作成し、学会報告した(2017年 日本医学放射線学会)。 また、以下のMRシークエンスとクローン病活動性評価についても検討を行っている。 (1)磁気共鳴画像の撮像法の一つである拡散強調画像(diffusion weighted imaging, DWI)に対して、任意のb値の画像が得られるcomputed DWIを適用し、疾患活動性評価における有用性について検討を行った(2017年ヨーロッパ放射線学会)。 (2)増強効果の定量評価(RCE)について、大腸ではRCEの測定による活動性病変の検出能は高いが(86.4%)、小腸ではやや低い(64.3%)ことを明らかにした(2017年日本医学放射線学会総会)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
私たちが新たに開発・検証試験を行った「5-point MREC classification」についての研究は、国際紙に投稿し、現在改訂中である。決定木解析によるMRスコアの研究は、2017年4月の日本医学放射線学会で報告したが、複数の評価者による検討がまだ行われておらず、追加試験が必要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
決定木解析によるMRスコア、MRECにおけるComputed high-b value DWIの有用性、大腸と小腸病変におけるRCEの診断能、2016年に学会報告した治癒期の潰瘍病変のMRECに関する研究についても順次投稿する予定。
|
Causes of Carryover |
当初、当該科研費で使用を予定していた学会参加費が、別予算での使用となったため。 人件費、学会参加費、必要な物品費、英文校正費に充てる予定。
|