2015 Fiscal Year Research-status Report
拡張不確かさ解析を用いたセットアップマージン評価モデル及び照合データベースの開発
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15K19779
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
棚邊 哲史 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (80743898)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射線治療 / セットアップマージン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、様々な疾患の治療法に適応する画一的な患者セットアップマージン(SM)評価モデルを開発し、EBM(Evidence-Based Medicine)に基づいた放射線治療を展開するための基盤を確立することである。
上記につき、初年度の平成27年度は、①拡張不確かさ解析を取り入れた患者SM評価モデルの構築、②非小細胞肺癌および前立腺癌を対象としたSMの基礎データ取得および従来法に基づくSMの算出の2点に関して研究を行った。具体的には、位置照合装置の違いによるSM評価モデルへの影響を明らかにするために、強度変調放射線治療が施行された前立腺癌患者群を対象に、ExacTrac X-rayシステムおよびOn-Board-Imagerシステムにて照合された各々の臨床データを用いて位置照合データの相関性を検討した。その結果、両位置照合データは、頭尾、腹背、左右方向のいずれにおいても強い相関が認められ、SM評価モデルを導入する上で位置照合装置の違いが及ぼす影響は少ないことを明らかにした。一方、体幹部定位放射線治療が施行された非小細胞肺癌患者群を対象とした場合、位置照合装置によりSMが有意に異なることが示された。これより、適応疾患あるいは位置照合装置の違いによるSM評価モデルの頑健性について検討する必要があることが示唆され、現在研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、予定していた前立腺癌症例に加えて、非小細胞肺癌症例に対しても、患者SM評価モデルに対する検討を行った。また、それらの研究成果の一部は、国内学会(3回)、国際学会(1回)にて各々報告するとともに、国際学術誌に投稿中であることから、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の平成28年度は、臨床で使用された上記疾患の放射線治療計画に対して、評価モデルと従来モデル各々で算出したSMを適用した場合の腫瘍および正常組織への投与線量の相違を定量的に評価するとともに、SM評価モデルを組み込んだソフトウェア開発を進める。
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Causes of Carryover |
平成28年度以降の研究計画「画像位置照合演算アルゴリズム構築」のために高速画像処理ライブラリとしてLabVIEW FPGAモジュール(計2,700,000円)を購入する予定であったが、交付決定額(物品費:2,200,000円)がモジュールの合計金額を下回り、購入が困難となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在は、LabVIEW FPGAモジュールの代替となる高速画像処理ライブラリの購入を検討している。
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Research Products
(5 results)