2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K19798
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
高橋 重雄 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (90635773)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放射線肺臓炎 / 呼気凝縮液 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、呼気凝縮液中のTGF-β1が放射線肺臓炎の発症と関連があるかどうかを明らかにし、従来の予測因子と組み合わせて放射線肺臓炎の発症をより確実に予測できるかどうかを検討することである。 研究の第一段階の計画は、安定して呼気凝縮液を採取するための実験系を確立することである。昨年度まで、呼気凝縮液内の総タンパク質濃度測定の再現性の確立に難渋していたが、試薬キットの変更やインキュベーション方法の変更により、再現性をもって呼気凝縮液内の総タンパク質濃度を測定できるようになっていた。本年度は昨年度に引き続き、香川大学医学部倫理委員会で承認されている「健常ボランティアにおける呼気凝縮液採取に関する研究」を行い、予定症例数10例の登録および研究を完了した。呼気凝縮液の量は全例で測定に必要な量である1 cc以上を採取できた(平均1.4 cc)。呼気凝縮液内の総タンパク質濃度を9例で測定でき、1例で検出されなかった(平均1.1 μg/ml)。全例で呼気凝縮液内に唾液の混入はなかった。呼気凝縮液採取前後の収縮期血圧(平均変化-1 mmHg)、拡張期血圧(平均変化±0 mmHg)、脈拍(平均変化+1 bpm)および経皮的酸素飽和度(SpO2)(平均変化±0%)に大きな変動はなく、全例で安全に研究を実施できた。 研究の次の段階の計画は、呼気凝縮液中のTGF-β1の測定の実験系を確立することである。Human Transforming Growth Factor Beta Detection ELISA Kit(Chondrex社)を用いて呼気凝縮液内のTGF-β1濃度の測定を行った。再現性をもって検量線を作成でき、呼気凝縮液内のTGF-β1濃度を測定できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
呼気凝縮液内の総タンパク質濃度測定の再現性の確立に難渋していたため。
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Strategy for Future Research Activity |
胸部に放射線治療を行う患者を対象として、呼気凝縮液内のTGF-β1濃度を測定し、放射線肺臓炎の発症と関連があるかどうかを検討する。
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Causes of Carryover |
(理由) 今後の研究の推進方策に記載の通り、研究を遂行していくため。 (使用計画) 研究を遂行していくために、呼気凝縮液採取器具や試薬キット等の消耗品を購入する。放射線肺臓炎の新たな知見に関する情報収集のために、関連学会への調査目的の旅費を計上する。
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Research Products
(3 results)