2015 Fiscal Year Research-status Report
320列MDCTを用いた4D-CTによるエンドリークの血行動態の解析
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15K19799
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森田 孝一郎 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (20725858)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エンドリーク / CT / 塞栓術 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究1年目に当たる本年度は、学会参加による情報収集ならびに大動脈瘤治療後エンドリーク症例の所見の拾い上げを行った。研究代表者(森田)は、4月に日本医学放射線学会総会、6月に日本医学放射線学会九州地方会、隔月の福岡IVRカンファレンスに出席し、大動脈瘤治療後エンドリーク症例の診断および治療について情報を収集した。 エンドリーク症例は2015年3月までに収集した21例に加え、本年度は9例の症例の蓄積があった。腎機能が良好で造影4D-CTが撮像可能であった症例は6例であった。Type 2 エンドリークは腰動脈や下腸間膜動脈が原因血管となるが、4D-CTによる描出は比較的良好であった。またtype 2との臨床診断にて4D-CTが撮像された症例で、実際はtype 3 やtype 1aと診断された症例もそれぞれ1例ずつあり、それらの症例では塞栓術を回避できた。Type 2エンドリークの流入血管の描出だけでなく、エンドリークのタイプ分類も可能となると思われた。責任血管の同定は、治療法の選択にも良い効果をもたらしている。治療法は経血管的な塞栓術と、経皮的な直接穿刺法の2つがあるが、治療前に責任血管を同定し、効率的な治療が可能となっている。また2つの治療法の特徴は当教室の牛島が論文を執筆し(Safety and efficacy of embolization by percutaneous direct approach for endoleak after EVAR/TEVAR)投稿中で、研究責任者は共著者となっている。 問題点は、4D-CTを撮像した後の画像処理である。瘤内への血液流入の部位をあらかじめ予想し、その部位ごとに再構成画像を作成しなくてはならず、予想外の部位に責任血管があった場合には原因を特定することが困難となる。したがってあらゆる可能性を考え再構成しなくてはならず、画像処理に時間がかかっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エンドリーク症例が減少しており、症例数の蓄積が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は関連病院にも症例の提供を積極的におこない、症例の蓄積に努める。また造影超音波も施行開始しており、4D-CTとの比較も行う予定である。造影超音波では観察範囲はCTに比べて制限されるが、時間分解能や空間分解能はCTより高く、有用性が期待される。広い範囲で撮像可能なCTとは相補関係にあると期待される。
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Causes of Carryover |
当初の計画で予定していたヨーロッパでの国際学会参加を世界情勢のために取りやめたため、およそ37万円の余剰金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度の助成金1051891円の内、180000円を間接経費として譲渡する。残り871891円の内、500000円を学会参加の旅費として、200000円を統計解析ソフトやPCの購入費とし、残り171891円を英文校正や紙代、通信費などの雑費として使用する。
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