2016 Fiscal Year Research-status Report
放射線被ばくによる染色体異常の経年変化の解明および低線量域の線量評価法の確立
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15K19804
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
阿部 悠 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00722472)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 医療被ばく / CT / 低線量 / 継続的な被ばく |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、検量線作成のためのボランティア5人分の採血は完了し、解析を進めている。一方でCT検査のfollow-up患者についてはCT3回目(累計3年分)の患者のサンプルを10名ほど収集している。集めたサンプルに関しては、前年度同様二動原体染色体(Dic)と転座について解析を進めており、目標としている2,000細胞(相当)以上の解析に到達した標本も存在する。多くの標本については1,000細胞前後の細胞数について解析を終えている。しかし先行研究と同様、CTによる被ばくが低線量であるためかあるいは何も影響がないのか不明であるが、1,000細胞程度の解析ではCTによる被ばく線量と染色体異常頻度との相関等は認められていない。しかしこれはCT1回目のサンプル分のみの解析結果であり、CT2回目以降の異常頻度については解析を進めている段階である。同時並行で年齢や喫煙などの生活習慣、医学検査・治療歴等の交絡因子と染色体異常頻度の減衰率などの関係性について調査を進めている。また、サンプルによっては過去の治療の影響と思われる複雑な染色体異常をもつ細胞も見られており、文献検索などを通して鑑別の基準等についての再確認も進めている。 Follow-up患者の内、3回目の採血に協力可能な(すでに採血している/これから採血の予定がある)患者の染色体標本を優先的に解析している。これは継続的なCT検査による生体(染色体)への影響解析の重要なデータであるため、研究計画の通り来年度にはデータを取りまとめられるよう可能な限り早急に解析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
CT3回目までの採血に協力可能な患者の解析を優先的に進めているが、前年度までの遅れについてリカバリーできていない上、解析が難しい細胞に対する判定基準の見直し等もあり当初の予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
サンプル収集については一段落した状態にあるため、一番遅れているCT患者サンプルの解析を優先して進めていく。
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Causes of Carryover |
旅費として支出予定だったものが別財源から支給可能であったため、旅費分の金額を物品費として使用した。また、来年度の解析に必要な試薬量が増える見込みの為、今年度分の残額で充当する考えのため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Establishment of induced pluripotent stem cells from normal B cells and inducing AID expression in their differentiation into hematopoietic progenitor cells.2017
Author(s)
Kawamura F, Inaki M, Katafuchi A, Abe Y, Tsuyama N, Kurosu Y, Yanagi A, Higuchi M, Muto S, Yamaura T, Suzuki H, Noji H, Suzuki S, Yoshida MA, Sasatani M, Kamiya K, Onodera M, Sakai A.
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Journal Title
Scientific reports
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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